サケの産卵時の心拍停止・再開機構を解明するため、カルボシアニン色素(DiI)を用いてサケ心臓の刺激伝導系の解析し、迷走神経(副交感神経)が、内蔵枝より心臓枝へ分岐していることが確認された。多回産卵するニジマスニジマスに心電図ロガーを装着して放精時の雄における心電図を取得し、放精時の雄ニジマスにおいて心室細動が観察され、多回産卵のニジマスでも放精時に心停止することが確認された。サケ産卵時の心拍停止は、人間において強い疼痛などの刺激が迷走神経求心枝を介して、脳幹血管運動中枢を刺激し、心拍数の低下などを引き起こす迷走神経反射に相当することが明らかになった。
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