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2012 年度 実施状況報告書

ウニに生殖腺刺激ホルモンはあるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 23658152
研究機関北海道大学

研究代表者

都木 靖彰  北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (10212002)

キーワードウニ / ホルモン / 生殖腺刺激ホルモン / 内分泌 / 器官培養
研究概要

本研究はウニの内分泌機構の存在を明らかにする基礎研究であり、ウニに生殖腺刺激ホルモンが脊椎動物と同様に存在するか否かを明らかにすることを目的としている。実験に用いたウニは磯やけ海域に生息するキタムラサキウニを用いた。磯やけ海域のウニの生殖巣は一年を通して回復期にあり殆ど配偶子を持っていない。ウニの卵黄主要タンパク質(MYP)は雌雄生殖巣で発現しているが、このタンパク質を合成する内分泌機構は未だ不明である。磯やけ海域に生息するウニ生殖巣では、このタンパク質は合成されているが微量である。このことは配偶子形成に重要なタンパク質であるMYPの合成が盛んでないことを意味している。そのため、ウニの内分泌機構を解析する上で、このタンパク質の合成メカニズムを解析することによりウニに内分泌機構の存在が明確になるため、磯やけウニは優れた実験モデルとなる。本年度は、このウニ生殖巣を用いた器官培養系の確立を目指した。ウニ生殖巣を浮上型器官培養法により5日間培養し、経時的にMYPmRNAおよび内部標準遺伝子であるGAPDHmRNAの発現量を昨年度確立した微量定量系を用いて測定した。その結果、GAPDHmRNAの発現量は経時的に減少したが、MYPmRNAの発現量は減少しなかった。このことから、今回使用した期間培養系では、細胞が経時的に死滅していることが明らかになると共に、使用した培養系の中にMYPmRNAの発現を維持する成分が含まれている可能性が示された。以上のことより、GAPDHmRNAの発現が一定である器官培養系を確立する必要が課題として残された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではウニの生殖腺刺激ホルモンの探索が目的であるが、ホルモンの探索のためには分子マーカーを決定し、それらの分子マーカーの遺伝子発現量を増加させる物質がウニ生殖腺刺激ホルモンであると考え研究を遂行している。昨年度はウニ雌雄生殖巣で発現している主要なタンパク質を同定するとともに、これらのタンパク質を分子マーカーとして各遺伝子のクローニングおよび微量遺伝子定量系を確立した。本年度はいまだ改良の必要性はあるものの、必要不可欠な実験系である器官培養系を作製することに成功した。この際,培養系の評価には昨年度作製した分子マーカーの遺伝子発現量定量系を用いた。これによりこれら分子マーカーの遺伝子発現量を指標とし、これらの遺伝子発現量を増加させる物質(=生殖腺刺激ホルモン)の探索が可能となった。このように、当初計画に従って研究は進展している。

今後の研究の推進方策

分子マーカーの決定,微量遺伝子発現定量系,器官培養系の作成に成功したことから,本年度は以下の実験を遂行する。
1.器官培養系の改良(GAPDH mRNAの発現が一定である器官培養系の確立)
2.改良器官培養系を用いた生殖腺刺激ホルモンの探索

次年度の研究費の使用計画

該当無し

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公開日: 2014-07-24  

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