研究課題/領域番号 |
23658182
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
内山 智裕 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (80378322)
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研究分担者 |
鈴村 源太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (90356311)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 農業経営 / 認定農業者 / 経営改善 / 担い手育成 |
研究概要 |
(本課題の具体的目標)本課題では,我が国の認定農業者制度に焦点を当て,その改善を図ることで,同制度を我が国の農業経営発展支援に真に資するものとすることを目標としている。研究初年度にあたる23年度は,(1)認定農業者の経営管理に関する実態調査(アンケート),(2)認定農業者に類似した諸外国の制度の比較分析,を主たる課題として取り組んだ。(本年度の実績)(1)認定農業者の経営者能力について,全国5か所でアンケート調査を実施した。このアンケート調査では,経営者による取組指標として,絶対的評価と相対的評価の適性を検証するものである。(2)我が国の認定農業者制度に類似した制度として,カナダ・オンタリオ州におけるGrowing Your Farm Profitプログラムに着目し,現地調査を実施した。ここでは,プログラムの背景に加え,160項目にわたる取組指標の構成,チェックリスト方式の効果,ワークショップ開催による農業者への啓もう活動など,農業経営の発展支援にかかる支援施策の枠組みについて実態分析を行った。(3)我が国の認定農業者制度について,農林水産省および全国農業会議所などの関係組織と研究協力関係を構築した。農林水産省とは「新たな農業経営指標の策定」(平成24年3月27日プレスリリース),全国農業会議所とは認定農業者の全国組織との連携体制の構築などに取り組み,平成24年度の研究に向けた体制作りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の取り組み課題は,(1)農業経営者の資質面と連携した経営管理能力の測定ツールの開発,(2)諸外国における農業経営のビジネスプランニングの手法の分析・評価,の2点にあった。 (1)については,認定農業者に対する全国5か所でのアンケート調査を実施したが,その結果については分析途上にある。 (2)については,カナダ・オンタリオ州における経営発展支援プログラムに着目し,現地調査を実施したが,その結果については分析途上にある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,本研究課題の最終年度にあたるため,以下の計画をもって研究を進める。(1)農業経営者の資質面と連携した経営管理能力の測定ツールの開発については,全国アンケート調査結果のとりまとめを実施する。(2)諸外国における農業経営のビジネスプランニングの手法の分析・評価については,前年度のカナダ・オンタリオ州における現地調査結果を取りまとめるとともに,類似のプログラムだが推進方法が異なる同国他州(サスカチュワン州など)との比較分析を進め,とりまとめを行う。(3)金融機関による融資審査・モニタリング機能の分析および農業経営発展への応用について,調査研究を進める。(4)9月に予定されている日本農業経営学会大会の分科会において、本研究課題に関するセッションを実施し,本研究の成果報告を行うとともに,今後のさらなる研究の展開に向けた課題の整理を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
(23年度未使用額が生じた状況)全国アンケート調査の郵送回収は受取人払いによって行ったが,想定よりも回収が遅れ,回収数が少なかったため,1,876円の未使用額が発生した。・物品費:少額の書籍,文房具やトナーカートリッジなど,研究の遂行に必要な消耗品の購入に充てる。また,平成23年度未使用額は,引き続きアンケート調査の郵送回収の受取人負担分として使用する。・旅費:海外での現地調査(カナダ),認定農業者調査および研究成果発表のための学会参加に充てる。・人件費・謝金:アンケート調査などの入力,資料整理に必要な学生アルバイトへの謝金等に充てる。・その他:現地調査における自動車借上料,学会誌掲載料などに充てる。
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