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2011 年度 実施状況報告書

青果物の流通費用・規格外品削減による自給率向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23658184
研究機関鳥取大学

研究代表者

万 里  鳥取大学, 農学部, 准教授 (90325001)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード青果物規格外品 / 青果物流通費用 / 青果物販売チャンネル / 青果物廃棄量 / 卸売市場
研究概要

平成23年度では市場調査と次年度における「無等級時間付割引販売」の準備としている。 海外市場調査では、韓国の可楽青果物卸売市場(ソウル)、江西青果物卸売市場(ソウル)、厳弓青果物卸売市場(釜山)を調査し、実際の取引状況、荷姿などを確認した上、市場関係者に聞取り調査を行った。韓国の卸売市場内では、多少傷ついたリンゴや、野菜の葉っぱなど、日本では捨てられているものがきれいに箱詰めされ、卸売市場内で取引される。また、ソウル・釜山市内には伝統市場と呼ばれる青空市場があり、小売商人は卸売市場の下請人から農産物を入荷して販売している。このように、規格外品であっても卸売市場内で取引できたり、伝統市場で販売されたりして、韓国農家の青果物廃棄率はとても低く、わずか2%以下であり、青果物輸入量も少なく、2010年の輸入青果物の重量比率は7.3%であるが、ほとんどの輸入品は韓国で生産されないパイナップル、バナナなどで占められている(可楽青果物卸売市場農産物部門金隋吉課長による)。韓国の青果物流通市場調査で得られた情報は国内青果物流通の規格外品削減のヒントとなるため、とても有意義である。 国内市場調査では、大阪市中央卸売市場東部市場(大阪市東住吉区)、大阪府中央卸売市場(大阪府茨木市)を調査し、JA鳥取中央農業協同組合が大阪の阪急オアシスでの直売などを調査した。卸売市場において、近年では買付集荷が増加傾向にあり、取引方法にはセリ取引が減少することが目立ち、一部分の出荷者から売値が要求するなど、卸売市場法の改正に伴う市場取引の変化が大きい。 平成24年度以降に、本研究が実施を予定している「無等級時間付割引販売」に関して、福岡県農業協同組合中央会、鳥取中央農業協同組合に協力要請をしたが、このなかで鳥取中央農業協同組合はこの要請に応じ、いまでは実験販売の準備を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度において、研究計画どおりに韓国青果物流通における卸売市場、小売市場などの調査を行い、国内では、大阪市・大阪府中央卸売市場の調査及び小売市場の調査を行った。また、平成24年度以降に実施を計画している「無等級時間付割引販売」について、農協関係者への協力を要請し、現在では業務委託などの手続きは進行中であり、研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成24年度以降、「無等級時間付割引販売」試験的に実施し、現在の卸売市場流通、直売店販売などの販売方法との流通費用、規格外品の削減率などを比較する。消費者に「無等級時間付割引販売」に対する調査を行う。また、海外では中国の青果物流通市場、国内では東京都中央卸売市場などの卸売市場及び小売市場、生産農家の調査を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24、25年度に、本研究最大の特徴である「無等級時間付割引販売」を実施し、委託実施費用を抑えても年間60~70万円が必要と見込まれ、2年間で計120~140万円が必要と算出できる。しかし、実際の研究補助金は当初の申請額に比べて減額されており、「無等級時間付割引販売」が順調に実施できるために、平成23年度における補助金の使用計画を再検討し、186,496円を平成24年度に繰り越すことができた。この繰り越す金は次年度以降の補助金と合わせて「無等級時間付割引販売」の委託実施費用として使用する予定である。また、中国青果物市場調査の旅費、謝金などは30~35万円必要であり、東京都中央卸売市場調査、国内生産農家調査、研究の取りまとめと学会発表などに50万円前後と計画している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 乾しシイタケ輸出の現状と課題2011

    • 著者名/発表者名
      古塚 秀夫、万 里
    • 雑誌名

      農林業問題研究

      巻: 47 ページ: 260~264

    • 査読あり
  • [学会発表] 牛肉の生産・価格・消費変動及び価格変動の要因分析2011

    • 著者名/発表者名
      万 里
    • 学会等名
      日本農業経営学会
    • 発表場所
      三重大学生物資源学部 (三重県津市)
    • 年月日
      2011年9月11日
  • [学会発表] 中国地域における食品工業の農業への波及効果分析2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤淳基、万 里
    • 学会等名
      地域農林経済学会
    • 発表場所
      愛媛大学農学部 (愛媛県松山市)
    • 年月日
      2011年10月23日
  • [学会発表] ねぎの価格動向と今後の生産方向に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      八木琢磨、万 里
    • 学会等名
      地域農林経済学会
    • 発表場所
      愛媛大学農学部 (愛媛県松山市)
    • 年月日
      2011年10月23日

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公開日: 2013-07-10  

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