研究課題/領域番号 |
23658186
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宮部 和幸 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (40409066)
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研究分担者 |
藤島 廣二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70287449)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 食嗜好 / 青果物流通 / 日本食 / フランス料理 |
研究概要 |
平成23年度は、食嗜好と青果物流通の関連性の検討と研究遂行のためのフレームワークの確立、およびわが国の食嗜好の変化構造と青果物流通システムの変化との関連性の解明を中心に分析を試みた。わが国の食文化、食嗜好の変化に関する文献・資料・データ、特に戦後からの青果物流通の動向に関する文献・データを収集するとともに、農林水産省をはじめとする各種関係機関からも資料収集を実施した。また、わが国の青果物、特に青果物の要である中央卸売市場関係者(卸売業者、仲卸業者等)、その関連の青果物の加工業者、スーパーマーケットなどの小売業者、さらにはレストラン調理技術者(日本食レストラン)に対しもヒアリング調査を実施するなど、素材を活かしたわが国の食嗜好と青果物流通との関連を多面的に分析調査を行った。 さらに、関係者を交えた「食嗜好と青果物流通研究会」を開催し、最近のわが国の食嗜好の変化の方向、食を取り巻く環境変化の基調などについて情報収集をするとともに、食嗜好と青果物流通の関連性に関する概念の理論的枠組みを検討した。特に、素材を活かすわが国の食文化は、依然として、品質や本物を求める意識を持ち得ており、青果物に対しても品質や本物を求める意識は低下しつつあるとはいえ、依然として高く維持しているものといえる。こうした質の高い流通を実現するには、現在の青果物流通にみられる卸売市場を核とした多段階流通を軽んじることはできないのではないかとの認識を得つつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食嗜好と青果物流通に関する既存文献・データなどの収集はほぼ完了しつつある。また平成23年度の食嗜好と青果物流通の関連性の検討と研究遂行のためのフレームワークの確立についても、若干の検討は残っているが、ほぼ枠組みはできたものと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
わが国の食嗜好と青果物流通の関連性の検討を踏まえて、世界に冠たる料理大国とされるフランスとの比較検討を通して、食嗜好が規定する青果物流通の特質と、わが国の食文化に寄与する青果物流通のあり方を考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、日本との比較検討のため、フランスの食文化、食嗜好、青果物流通に関して、現地ヒアリング調査を行うこととする。まず国内において、関連資料の収集・調査を行い。その後、フランス(パリ)を中心として、関係機関に対する調査を実施する。
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