研究課題/領域番号 |
23658186
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
宮部 和幸 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (40409066)
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研究分担者 |
藤島 廣二 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70287449)
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キーワード | 青果物流通 / 食嗜好 / フランス |
研究概要 |
わが国の青果物流通は、欧米諸国とは異質の特質を有している。それは食嗜好の独自性によるものであると考えられる。平成24年度は、世界に冠たる料理大国とされるフランスに着目し、フランスの食文化、食嗜好の変化および青果物流通システムの現状と動向に関して現地調査を実施した。フランスにおいて大規模な青果物卸売市場のランジス卸売市場(パリ)と、フランス料理の代表的地域にあるリヨン卸売市場(リヨン)の2つの卸売市場の卸売業者等に対して、ヒアリング調査を実施するとともに、ローカルフードのマルシェ、オーガニック、エシカルな青果物を取り扱う新しいスタイルの小売業者などの流通関係者、さらにリヨンにおいてはフランス料理シェフ、料理専門学校などの調理関係者・指導者に対してもヒアリング調査を実施し、今現在、フランスの食嗜好がどのように変化しているのか、さらにはどのような局面において青果物流通の変化がみられるのか。すなわち、食嗜好の変化とそれによって規定されるフランスの青果物流通の特質の解明を行った。 また、国内においても、料理専門家や調理学校関係者に対するヒアリング調査を実施し、フランスの食文化の今日的な変化に関する情報および関連資料の収集を行った。 フランスの食嗜好をめぐる今日的な変化は、グローバル化の進展によって、食の様々な局面において融合化がみられる一方で、伝統野菜やローカルフードなどのローカル化の動きが顕著になってきていることである。そして、それに伴い青果物流通もゆるやかではあるが、品揃えの幅、質に変化がみられつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、予定していた料理大国・フランスにおける食嗜好の変化および青果物流通の特質に関して、現地関係者・専門家から、濃密なヒアリング調査を実施するとともに、関連資料・統計の収集を実施し、ほぼ計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに実施した調査結果の報告を踏まえ、日本とフランスの食嗜好と青果物流通の関連性に関する比較検討を行う。国内調査を中心として補足調査を実施するとともに、必要に応じて資料収集調査も実施し、本調査研究の取り纏めを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内補足調査および資料収集調査を実施するために、調査旅費を必要とする。また本調査結果を取り纏めのための作成・印刷費も必要とする。
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