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2012 年度 実績報告書

水温の空間分布の決定要因分析をふまえた稲の高温登熟障害回避に資する灌漑手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23658195
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

坂田 賢  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農地基盤工学研究領域, 研究員 (00584327)

キーワード高温登熟障害 / 水管理 / 水温 / 夜間灌漑 / パイプライン / 開水路
研究概要

1.調査概要 2012年度は、2011年度に引き続き福井県九頭竜川下流地区において取水源、パイプライン及び開水路、並びに、圃場において灌漑期間中の水温を観測した。また、出穂後に昼間または夜間のみの灌漑を行う圃場を設け、用水量、湛水深、水温及び地温を計測した。
2-1 結果1:用水路の水温変化 パイプライン水路は安定的に低い水温が得られることが示された。開水路は地点による水温差のバラツキが大きいことと、1日のうちの水温変化がパイプライン水路と異なることが明らかとなった。水温は地点によってピークの時刻が異なり、取水口と比較して、管路中間または管路末端では、それぞれ1.7時間または6.8時間遅れる。すなわち、水温の相違は流下時間に依存すると考えられる。一方、開水路の水温変化は他と異なり周期が短く、0時と15時40分にピークが生じた。昼は日射を受けて温度が上昇し、夕方から夜間にかけては取水口から運ばれる用水のピークと重なることが原因と考えられる。
2-2 結果2:出穂後の圃場の地温変化 開水路地区(A地区)とパイプライン地区(B・C地区)において、昼間(6時~18時)のみ灌漑を行った圃場と、夜間(18時~翌6時)のみ灌漑を行った圃場において、1回の灌漑に対する地温変化の平均値(地温低下効果)を計算した。C地区夜間灌漑圃場は、他の圃場に比べ地温低下効果を発現した。差の要因として他の夜間灌漑圃場では1回の灌漑水量が少ないことが考えられる。さらに、A地区夜間灌漑圃場では、用水の水温が高いことが挙げられる。また、C地区昼間圃場は浸透量が少なかったため、灌漑水が地表面下に十分達せずに地温低下効果が小さくなったと考えられる。
3.2012年度成果の意義・重要性 高温登熟障害抑制のための灌漑を行うには、水路形態を考慮する必要があること、灌漑する時間帯によって地温を低下させる効果が異なることを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] パイプラインを利用した夜間灌漑実証試験2013

    • 著者名/発表者名
      大塚直輝
    • 雑誌名

      水土の知(農業農村工学会誌)

      巻: 81 ページ: 301-304

    • 査読あり
  • [学会発表] 日中と夜間の取水による水田水温の相違2012

    • 著者名/発表者名
      坂田 賢
    • 学会等名
      農業農村工学会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      20120918-20120920
  • [学会発表] 水田地帯における広域の水路網を対象にした水温測定2012

    • 著者名/発表者名
      坂田 賢
    • 学会等名
      農業環境工学関連学会(合同大会)
    • 発表場所
      宇都宮市
    • 年月日
      20120912-20120914
  • [学会発表] Measurement of water temperature in the open canal, pipeline and paddy fields to secure cool water in summer in northern Fukui, Japan2012

    • 著者名/発表者名
      坂田 賢
    • 学会等名
      International Council on Irrigation and Drainage
    • 発表場所
      オーストラリア・アデレード
    • 年月日
      20120623-20120629
  • [学会発表] 福井県九頭竜川下流地区で実施した夜間灌漑と地温低下の関係

    • 著者名/発表者名
      坂田 賢
    • 学会等名
      農業農村工学会
    • 発表場所
      新潟市

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公開日: 2014-07-24  

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