実用的植物工場の実現のためには高付加価値植物の栽培技術の確立が必要である。本研究では,高付加価値植物である薬用植物を植物工場で栽培するための課題のひとつである養液栽培技術の開発を目的とした。薬用植物は根を利用する種が多く,一般的な養液栽培では細い根が増える傾向にあり,漢方薬の材料として定められている形の根が得られない。そこで,薬用植物のオウレンおよびトウキを用い,養液供給量を自由に制御でき,根の周辺が過度に湿潤な状態にならず,呼吸を阻害しない養液供給装置によって栽培比較試験を行い,栽培に適した養液供給法について示唆を得ることができた。
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