本研究を推進するため、昨年に引き続き小島陽一郎(畜産草地研究所)、河合秀樹(エコアドバンス),八木 茂(元畜産草地研究所)を研究協力者として,また、Madrini Bintang(博士1年)と房村 遼(修士2年)を研究補助として配置した。実施内容は以下の通りである。 ○熱画像測計測実験:牛糞コンポスト資材の発酵過程における表面熱画像の連続測定(間隔1分)を実施した。牛糞と副資材の混合比および混合撹拌時間による発酵過程のばらつきが表面熱画像のコントラストに影響することを確認した。定量的予測のためには、実験回数および発酵過程全体の長期観察が必要であり、今後の課題として残った。 ○給食残渣の密閉コンポスト実験の観察:協働研究サイトである府中市南白糸台小学校に設置した密閉式 堆肥発酵装置を用いた給食残渣の一次発酵処理の社会実験の概要と課題をとりまとめ,国内外の学会にて発表した。府中市の協力で「生ごみ資源循環型モデル事業推進委員会」を設置し、多くの利害関係者の調整と事業推進が可能になった。 ○都市農業における堆肥活用ポテンシャル調査:府中市における堆肥活用ポテンシャルは、府中市「生ごみ資源循環型モデル事業推進委員会」の設置により顕在化させることができた。復興農業に取り組む場合も、本研究提案と同じ枠組み(新技術+自治体、農業者、小学校、企業などの協働)が有効なシナリオである。
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