• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

ニワトリにおける非酵素的糖化化合物の代謝機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23658215
研究機関岩手大学

研究代表者

喜多 一美  岩手大学, 農学部, 教授 (20221913)

キーワードニワトリ / 筋芽細胞 / タンパク質合成 / グルコース / トリプトファン / アマドリ化合物 / PHP-THβC
研究概要

第一に、グルコース‐トリプトファン化合物の一種であり、ピクテースペングラ-反応によって生成されるPHP-THβCが、ニワトリ胚筋芽細胞の蛋白質合成に及ぼす影響を調査した。トリプトファンをグルコース溶液に溶解し、保温後にイオン交換樹脂を用いてPHP-THβCを回収した。トリプトファン欠乏培養液を対照区とし、処理区には添加物(トリプトファンまたはPHP-THβC)を段階的に培養液へ添加した。また培養液のIGF-I濃度は0および20 ng/mlの2レベルとした。筋芽細胞のタンパク質合成は標識フェニルアラニンを用いて測定した。その結果、トリプトファン添加は、細胞のタンパク質合成をIGF-I添加区において対照区の146%、IGF-I無添加区では対照区の136%まで促進した。一方、PHP-THβC添加によるタンパク質合成促進効果はIGF-I添加時に対照区の126%、無添加区では対照区の107%にとどまった。以上の結果から、トリプトファン欠乏状態における筋芽細胞では、PHP-THβCはタンパク質合成の前駆体となりえないことが示された。
第二に、今までに生体内におけるグルコース‐トリプトファン化合物であるトリプトファンーアマドリ化合物およびPHP-THβCの濃度を測定した報告が見当たらない。そこで、トリプトファン過剰飼料をニワトリに給与し、血中におけるトリプトファンーアマドリ化合物とPHP-THβCの濃度測定を試みた。10日齢の単冠白色レグホン雄に、通常飼料およびトリプトファン過剰飼料を給与し、血清中のPHP-THβC濃度をLC/MSを用いて測定した。その結果、生理的な血中グルコース‐トリプトファンーアマドリ化合物濃度およびPHP-THβC濃度はそれぞれ約1.5 uM、3 uMであり、これは血中トリプトファンの約10%が糖化していることを示していた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Detection of two types of glycated tryptophan compounds in the plasma of chickens fed tryptophan excess diets2013

    • 著者名/発表者名
      Kita, K., Kawashima, Y., Makino, R., Namauo, T., Ogawa, S., Muraoka, H. and Fujimura, S.
    • 雑誌名

      Journal of Poultry Science

      巻: 50 ページ: 138-142

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of β-carboline produced from glucose and tryptophan on protein synthesis of chicken embryo myoblasts2012

    • 著者名/発表者名
      Nishimagi, R. and Kita, K.
    • 雑誌名

      Journal of Poultry Science

      巻: 49 ページ: 299-301

    • 査読あり
  • [学会発表] トリプトファンの糖化反応によって生成されたβ - カルボリンがニワトリ胚から採取した筋芽細胞のタンパク質代謝に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      西間木良輔・喜多一美
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] トリプトファン欠乏培養液へのPHP-THβC添加がニワトリ胚筋芽細胞のタンパク質合成および分解に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      牧野良輔・喜多一美
    • 学会等名
      日本家禽学会
    • 発表場所
      安田女子大学

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi