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2011 年度 実施状況報告書

食肉中の不飽和脂肪酸濃度を増大する遺伝子発現の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 23658217
研究機関東北大学

研究代表者

加藤 和雄  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60091831)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード食肉組成 / 不飽和脂肪酸 / SCD / 遺伝子導入 / 可視化
研究概要

黒毛和種牛を用いて、(1)GH、SCD1およびFASNの多型と血液ホルモン濃度との関連性、(2)同一GH遺伝子型動物群におけるSCD遺伝子多型と血中ホルモン濃度の関係、(3)SCD遺伝子発現および酵素活性とGHやSCD多型との関連性、を検討し産肉性や脂質代謝に及ぼす多型について調査した。(1)血中IGF-I濃度はGH遺伝子型がAA型>BB型>CC型の順に有意に高い値を示した。しかし、その他の血中ホルモンや遺伝子多型において有意な差は認められなかった。(2)SCD1多型と内分泌との優位な関連性は認められなかった。(3)SCD1mRNA発現は、GH多型間で有意な差は認められなかったが、SCD酵素活性はGH遺伝子型のAA型で他の遺伝子型よりも低い値を示す傾向が認められた。また、SCD1mRNA発現は、SCD遺伝子型のAA型>AV型=VV型を示す傾向が見られた。SCD酵素活性はSCD1遺伝子型のAA型が他の遺伝子型よりも有意に高い値を示した。しかし、SCD1mRNA発現量とSCD酵素活性との間に有意な相関は認められなかった。以上のことより、GH多型およびSCD1多型が産肉性や脂質代謝に影響を与えるメカニズムの一部を生理学的に解明することが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで下記のような結果を得ているので、計画通り順調に進んでいる。1)GH多型はIGF-1などの内分泌調節を介して黒毛和種牛の産肉性に影響を及ぼすが、SCD1多型は内分泌機能への影響はない。2)GH多型とSCD多型はSCD酵素活性の引き起こし、脂肪交雑と不飽和脂肪酸割合に影響を及ぼす。

今後の研究の推進方策

マウスES細胞のdelta-9不飽和化酵素のゲノムDNA断片をBAC(Bacterial Artificial Chromosome)ライブラリーからサブクローニングを行い、得られたゲムDNA断片を元にノックインベクターを作製する。現在、ノックインプラスミドの構造の確認と相同組み換えES細胞クローンの判定のためのサザンブロット用のプローブを作成する。

次年度の研究費の使用計画

次年度脂肪額は、当初計画していたSCD酵素活性実験を変更したことにより生じたものであり、次年度以降に実施するクローニング実験に必要な経費として平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Changes in circulating adiponectin and metabolic hormones concentrations during periparturient and lactation periods in Holstein dairy cows2012

    • 著者名/発表者名
      Ohtani Y, Takahashi T, Sato K, Ardiyanti A, Song SH, Sato R, Onda K, Wada Y, Obara Y, Suzuki K, Hagino A, Roh SG, Katoh K
    • 雑誌名

      Animal Science Journal

      巻: 83 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chemerin analog regulates energy metabolism in sheep2012

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Y, Song SH, Sato K, So KH, Ardiyanti A, Kitayama S, Hong YH, Lee SD, Choi KC, Hagino A, Roh SG
    • 雑誌名

      Animal Science Journal

      巻: 83 ページ: 263-267

    • DOI

      10.1111/j.1740-0929.2011.01002.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 黒毛和種牛の産肉性に及ぼすGH遺伝子プロモーター領域多型の影響2012

    • 著者名/発表者名
      杉田 春奈、加藤 大幾、Ardiyanti Astrid、横田 祥子、鈴木 啓一、笹子 奈々恵、阿部 剛、庄司 則章、小林 栄治、盧 尚建、加藤 和雄
    • 学会等名
      日本畜産学会 第115回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012年3月29日

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公開日: 2013-07-10  

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