研究課題/領域番号 |
23658219
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
盧 尚建 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90322130)
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研究分担者 |
西森 克彦 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10164609)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | オキシトシン / オキシトシン受容体 / 脂肪細胞 / 乳腺上皮上皮細胞 |
研究概要 |
【目的】オキシトシンは脂肪細胞と乳腺上皮細胞において機能的連関があるにもかかわらず、オキシトシン受容体(OXT-R)の発現調節機構については報告が少ない。したがって、本研究では、ウシの脂肪細胞と乳腺上皮細胞(BMEC)の分化過程におけるOXT-Rの遺伝子発現量を検討した。【方法】ウシの皮下脂肪組織から定法により前駆脂肪細胞を含む脈間質細胞を分離し、脂肪細胞へ分化させた。分化前と分化後3,6,9,12日目に細胞からRNAを抽出し、OXT-Rと脂肪細胞分化関連遺伝子の発現量を測定した。BMECは、コンフルエントまで培養し、分化刺激を行った。三日間の分化刺激後、分化培地、Adiponectin、分化培地+Adiponectinを24時間添加し、細胞からRNAを抽出してOXT-Rの発現量を測定した。【結果】脂肪細胞分化過程において、OXT-Rは分化前と比較し、分化後に有意に上昇した。BMECの分化刺激によってOXT-Rの遺伝子発現量は上昇し、Adiponectin添加によってもOXT-Rの遺伝子発現が誘導されることが確認された。以上の結果から、次の二点が推察された。1)脂肪細胞分化刺激によるOXT-R遺伝子発現の上昇は、オキシトシンによる調節機構が存在する可能性を示唆している。2)乳腺細胞で認められたOXT-R遺伝子発現変化は、Adiponectinと催乳ホルモンによる調節機構が存在する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで下記のような結果を得ている。1)脂肪細胞におけるオキシトシン受容体の遺伝子発現変動を調べ、脂質蓄積にともない発現量が上昇することを確認した。2)乳腺上皮細胞において乳腺細胞の分化によりオキシトシン受容体の遺伝子発現量が上昇することを確認した。上記のように研究の目的の通り、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は下記のような計画で研究を推進する予定である。1)分化脂肪細胞へのオキシトシン添加による脂肪細胞関連遺伝子の発現解析2)ウシ乳腺細胞におけるオキシトシン受容体の発現動態3)オキシトシン受容体欠損マウスの胎児由来の繊維化細胞の脂肪蓄積能の調査
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は。当初計画していたSiRNA導入実験を変更したことにより生じたものであり、次年度以降に実施する脂肪細胞関連遺伝子解析に必要な経費として平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。
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