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オキシトシンは視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌される。血中に放出されたオキシトシンは再び脳の中に入り込むことはできないことから、末梢組織でのオキシトシンレセプターを介した生理的な作用は重要である。しかし、脂肪細胞分化と脂質蓄積におけるオキシトシンレセプター発現とそのの役割については報告はない。したがって、本実験では異なる給餌の条件による脂肪組織でのオキシトシンレセプター発現量と脂質蓄積におけるオキシトシンレセプターの役割について調査した。オキシトシンレセプターはマウスの各組織での発現量を比較したところ、脂肪組織において発現があった。脂肪組織では血管間質細胞より脂肪細胞で高く発現した。また、普通食給餌マウスと比較して、高脂肪食給餌マウスの各脂肪組織においてその遺伝子発現は上向き調節された。3T3-L1 脂肪細胞の分化過程において分化誘導後、オキシトシンレセプターの遺伝子発現量は増加した。さらに、脂肪細胞へのオキシトシンの直接作用を調べるために、3T3-L1 脂肪細胞にオキシトシンを処理した結果、脂質分解が刺激された。以上の結果から、オキシトシンは脂肪細胞のオキシトシンレセプターを介して脂肪細胞分化および脂肪蓄積を調節する制御機構が存在することが示唆された。
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