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2012 年度 実施状況報告書

鳥類の雌雄判別におけるtetrachromacyの有用性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23658232
研究機関北海道大学

研究代表者

葉原 芳昭  北海道大学, (連合)獣医学研究科, 教授 (30142813)

キーワード紫外線 / 可視光 / 反射スペクトラム / ハシボソガラス / ハシブトガラス
研究概要

平成24年度は、平成23年度に得られた画像と解析結果をもとに反射プローブ付き分光光度計でカラスの各体部の紫外から可視領域についての反射率測定とそのスペクトラム解析を行った。全反射板でのスペクトラムをリファランスに、それに対する頭部・雨覆・初列風切羽・次列風切羽・尾羽背側・尾羽腹側・背中・咽喉・胸部における反射率を300 nmから800 nmまで1 nm間隔で測定し反射率スペクトラムを得た。測定対象は、北海道大学付属植物園に保存されているハシボソガラス(雄3標本、雌5標本あ)とハシブトガラス(雄8標本、雌6標本)である。以下の結果は上記の平均値での解析結果である。
スペクトラム解析の結果、ハシボソカラス・ハシブトカラスの雌雄とも記録したほぼ全波長領域において頭部での反射が弱く、逆に尾羽腹部の反射が強いという結果が得られた。また、風切羽の最大反射波長はおよそ400 nmであり、紫外から紫・青に相当する波長の反射が大きいことがわかった。
続いて、ハシボソガラスとハシブトガラス間に種差が認められるか否かについて解析した。その結果、尾羽腹部の反射について、ハシボソガラスの方がハシブトガラスより大で、また背中と雨覆の400 nm付近の反射率はハシブトガラスが大であった。
さらに、各種における雌雄差について解析したところ、ハシブトガラスの初列風切羽の反射率が雌で雄より大という結果が得られた。
今後この結果のスペクトラム解析を詳細に続ける。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は当初より反射分光光度計による反射スペクトラムの記録を目指しており、実験遂行の過程で予想外の大きな困難も認められず、極めて順調に研究が進んだ。当初計画に組み入れていた雌雄判別法の確立については、保存標本を用いたため、現時点では用いる必要性が低下したため、24年度には実施せず、得られたデータの解析に集中し、新知見を得ることができた。

今後の研究の推進方策

23年度・24年度の結果をより詳細に解析する一方で、本来24年度末に購入予定であった十字迷路を25年度に購入し、行動実験によって鳥類における紫外視の重要性を評価する。ただし、実験対象としてカラスを用いるのは、様々な制約があり現実的ではないので、市販されている飼い鳥を用いる。特に雌雄判別が外見で難しい種も用いる予定であるが、その際には24年度に計画していた分子生物学的雌雄判別が必要になることが予想されるので、当初の計画通り、サーマルサイクラーを導入する。
また、25年度が最終年度であるので、既存のデータをもとに関連学会での研究発表と成果報告のための論文作成を行う。

次年度の研究費の使用計画

422円を25年度に購入予定の薬品代の一部に当てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 四色視動物の視覚:デジタル紫外カメラを用いたハシブトガラス・ハシボソガラス(Corvus macrorhynchos・Corvus corone)の体色に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      近藤圭佑、矢野沙織、坂本健太郎、葉原芳昭
    • 学会等名
      第155回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)
    • 年月日
      20130328-20130330
  • [学会発表] 近紫外光のおけるヒトの可視領域の個人差に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      中村友美、矢野沙織、坂本健太郎、葉原芳昭
    • 学会等名
      第155回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)
    • 年月日
      20130328-20130330

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公開日: 2014-07-24  

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