研究課題/領域番号 |
23658244
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
叶内 宏明 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (10351884)
|
研究分担者 |
藤木 誠 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (60305167)
刀袮 重信 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70211399)
|
キーワード | 細胞増殖 / 抗がん剤 / ケミカルライブラリー / レポーターアッセイ |
研究概要 |
過塩素酸可溶性タンパク質(PSP)のマウスにおけるプロモーターおよび転写調節領域の解析を進めた。GeneRacer kitを用いてPSPの転写開始点は開始コドンから73塩基上流であることを明らかにした。翻訳開始点から上流300、400、500、1000、1500、2000塩基の配列を組込んだホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子を作製した。転写開始点から翻訳開始点までの配列を組込んだレポーター遺伝子を対照として用いた。マウス肝臓Hepa1-6細胞に導入し、転写活性を比較した結果、いずれの長さにおいても増殖中に比べて増殖停止期のルシフェラーゼ活性が2倍以上高かった。特に400塩基上流までを含む場合に顕著に高かった。この領域に結合して細胞増殖に関係する転写因子としてPaired box protein 6(Pax6)およびActivator protein 4(AP4)が存在する。500塩基上流までを含む場合に転写活性が著しく抑制された。この領域に結合する転写抑制作用を持つ転写因子としてRas-responsive element-binding protein 1(RREBP1)が見いだされた。PSP遺伝子発現の調節にこれら転写因子が関与するか今後精査が必要である。2000塩基上流までを含むレポーター遺伝子を導入し、理化学研究所から購入したauthentic chemical library(80化合物)をそれぞれ1μMで1日間添加した後のルシフェラーゼ活性を測定した。活性はコントロールとなるウミシイタケルシフェラーゼ活性もしくは細胞数あたりの比活性で比較した。その結果、活性増大を起こす化合物が2つ見いだされた。いずれも抗ガン作用が期待される分子である。一方、活性減少を起こす化合物としてstaurosporineおよびamiodaroneを見いだした。
|