ウエストナイルウイルス(WNV)はアメリカ合衆国、アフリカ等広域に分布しており、ウエストナイル脳炎の致死率は高い。本研究はWNVの細胞内輸送動態を解明し、得られた基礎的知見に基づき脳炎治療法の開発の基盤を形成することを目的とした。 本研究により、細胞への侵入段階においてWNVの輸送にはは少なくとも2種類の異なった細胞内輸送系が関与すること、チュブリンが輸送に関与すること、RabがWNV粒子の細胞からの放出に関与することが明らかになった。これらの結果はチュブリン、Rab等を抑制することによりWNV感染が抑制されることを示しており、今後のWNVによる脳炎の治療法の開発に寄与することが期待される。
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