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2012 年度 実施状況報告書

ネコiPS細胞を用いた慢性腎不全への細胞移植療法に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23658266
研究機関北里大学

研究代表者

星 史雄  北里大学, 獣医学部, 准教授 (00219164)

キーワード腎臓再生
研究概要

平成24年度の計画では、pCl-neo Mammalian VectorにサブクローニングしたネコのKlf4、Oct3/4、およびSox2遺伝子を用いて、ネコiPS細胞を作出し、腎臓の尿細管上皮細胞に誘導後、ネコのAQP2をVectorにサブクローニングし、iPS細胞に移入して、水チャンネルを過剰発現させたネコの尿細管上皮細胞を作出する予定であった。しかし、ネコの皮膚から得られた初代線維芽細胞を培養し、3つの初期化遺伝子をLipofectamine(Life Technology)を用いてTransfectし、ネコ線維芽細胞由来iPS細胞の作出を試みたが、細胞への遺伝子導入効率が上がらず、成功していない。手法を変え、Bio-Rad社のGene Pulser Xcellを用いて エレクトロポレーションを試みたが、それも未だに成功していない。現在、Nepa-gene社のNEPA21を用いたエレクトロポレーションシステムを使用して、試行している。また、ネコのAQP2遺伝子に関しては、ネコAQP2のCDS部分のクローニングに成功しており、ネコAQP2のCDSを用いて、蛋白発現できる用に、pTrancer-EF-Bsdにサブクローニングし、導入効率をみる目的で、培養株化細胞であるネコのCrFK細胞(JCRB細胞バンク)とヒトの293細胞(理化学研究所)を用いてAQP2がゲノム中へ導入できるか検討し、導入細胞に水チャンネルが過剰発現するかを試みた。その結果、トレーサーであるGFPの発現強度の高い細胞が少数株分離できたが、遺伝子の導入効率を上げないと実用には使用出来ないレベルである。わずかながら得られた株を用いて、その細胞の水分吸収量を測定したところ、わずかながら、水分吸収量に有意差がみられた。いすれにせよ、遺伝子の導入効率を上げる必要があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度の達成度合いとしては、pCl-neo Mammalian Vectorへのサブクローニングした3つのiPS細胞誘導遺伝子(Klf4、Oct3/4、およびSox2)の猫の皮膚線維芽細胞へ移入に関しては、良いトラスフェクション効率が得られず、完成していない。遺伝子の導入法を変えながら検討してる最中である。また、AQP2およびAVPR遺伝子のうち、AQP2遺伝子はCDSに関しては、クローニングが完成したので、その蛋白発現部分をpTrancer-EF-Bsdにサブクローニングすることに成功し、株化細胞を用いて、そのプラスミドのゲノムへの導入効率を調べることができたが、やはり、遺伝子の導入効率の良いものではなかった。そこで、プラスミドの導入効率をさらに上げるための工夫や必要に応じて、Vectorの検討もする必要があると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後の計画としては、引き続きサブクローニングしてある3つのiPS誘導遺伝子(Klf4、Oct3/4、およびSox2)を用いて、ネコの皮膚線維芽細胞へのCotransfectionを行い、iPS細胞の誘導を試みるが、もし、Cotransfectionが原因でうまくいかない状況であれば、使用するVectorをプラスミドからウイルスVector(センダイウイルス)等に変更必要があるかもしれない。また、作成できたiPS細胞は、本当に初期化されているかを、Nanogなどの他の初期化遺伝子の定量化RT-PCRにより明らかにすると共に、ヌードマウスへの接種実験を行うことにより、テラトーマの発現を確認し、完全なネコiPS細胞であることを証明することが必要となる。ネコiPS細胞に関しては、ほとんど知見がないため、誘導後の維持培養、もしくは維持に必要な因子(例えば、EGFとか、LIFとか)も解明されていないため、その検討も必要となると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費の使用計画としては、基本的には当初計画と大きな変更はないが、iPS細胞が作製できない状況では、研究の進展が望めないので、ネコiPS細胞を完成させるべく、そのvectorの検討が必要であれば、vectorの検討を行うために資金を充当する。また、それと平行して、AQP2遺伝子をもっと効率良く発現できるvectorの検討を行うために資金を充当する。

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公開日: 2014-07-24  

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