研究課題/領域番号 |
23658269
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
戒能 洋一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20183775)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 寄生蜂 |
研究概要 |
茶の害虫であるチャノコカクモンハマキは葉裏に卵塊を産み付ける。産み付けられた茶葉は誘導を引き起こし、卵-幼虫寄生蜂であるハマキコウラコマユバチがその葉表に対して探索行動反応を行うことがわかっている。私は、この現象に注目し、この誘導を引き起こすエリシターすなわちチャノコカクモンハマキの卵塊に存在し葉裏に付着することで誘導を引き起こす因子についての解析を行った。その結果、チャノコカクモンハマキの雌成虫腹部内容物を葉裏に処理したときに誘導が起きることから、エリシター活性が腹部内容物に存在することがわかった。また、腹部内容物の磨砕液を希釈すると活性がなくなることもわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、茶葉に誘導を引き起こすエリシター活性を調べる生物検定法の確立を目標としていたがそれを達成することはできた。
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今後の研究の推進方策 |
すでに確立した生物検定法を利用して、チャノコカクモンハマキの雌成虫の状態(未交尾か交尾済みか、羽化後の日齢)により活性がどう変わるか。チャノコカクモンハマキ以外の寄主昆虫の場合、あるいは非寄主昆虫の場合はどうかについて調べる。また、茶以外の植物を用いて誘導が起きるかどうかについても調べる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
昆虫飼育用の人工飼料、生物検定用のプラスチックシャーレ、実験用の茶の苗、学会発表のための旅費として使用する予定である。
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