研究課題/領域番号 |
23658279
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
都筑 幹夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
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研究分担者 |
岡田 克彦 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (40301551)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | シアノバクテリア |
研究概要 |
大気中二酸化炭素濃度の上昇の問題と太陽エネルギー利用の促進の観点から、食糧等に影響しない新しいバイオマス生産系の構築のため、葉緑体包膜に存在するトリオースリン酸トランスロケーターの遺伝子を単細胞性シアノバクテリアに導入、発現させることと、シアノバクテリアにおけるゲノムサイズの縮小化を目指す。 そこで、まず、アラビドプシスのcDNAを入手し、リン酸トランスローケーターの遺伝子を単離することを試みた。リン酸トランスロケーター遺伝子のcDNA量は極めて少ないことが判明したが、そのcDNA を鋳型として、リン酸トランスローケーター の読み枠を含む配列を増幅に成功した。この配列をシアノバクテリア内で発現させるためのプロモーターと繋ぎ、シアノバクテリアへの形質導入用のベクターに組み込む操作を進行している。また、ゲノムサイズ縮小化の第一歩として、Hik8遺伝子が解糖系とペントースリン酸回路の10以上の遺伝子の合成に関与していることを見出した。さらに、sll1330もHik8の下流で、5以上の遺伝子合成を制御していることも明らかとなった。Hik8あるいはsll1330遺伝子の破壊株が、光照射下で十分生育、保存できることも明らかとなった。解糖系と光合成の両方の条件で機能するフルクトース二リン酸アルドラーゼ遺伝子fbaAは、Hik8やsll1330による発現調節とは別の発現調節系を持つことが判明したが、光合成条件で発現しない解糖関連遺伝子は除去できる可能性が高まった。今後は、Hik8の下流で、かつ光合成で発現しない解糖関連遺伝子の確認を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リン酸トランスロケーター遺伝子を、高等植物アラビドプシスのcDNAから得たが、量が予想以上に少なく、予定よりやや遅れてしまった。しかし、もっとも重要な段階を超えたと考えているため、大きな遅れではない。
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今後の研究の推進方策 |
リン酸トランスロケーター遺伝子を、mRNAから得るか、それとも手元のcDNAライブラリーから得るかの選択があったが、後者で可能であったことから、研究の進み方がやや遅れたとはいえ、大きな遅れではなく、次年度は予定通りに研究推進できると考えている。また、ゲノムサイズ縮小化も特定環境以外は不要な遺伝子を少しずつ見出す方向で進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定通り、プラスチック製品などの消耗品(物品費)を中心に研究費を使用する予定。また、状況により、学生等の実験補助を依頼し、謝金(人件費)にも一部使用したいと考えている。
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