• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

光合成における糖排出細胞の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23658279
研究機関東京薬科大学

研究代表者

都筑 幹夫  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)

研究分担者 岡田 克彦  東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (40301551)
キーワードシアノバクテリア
研究概要

大気中二酸化炭素濃度の上昇の問題と太陽エネルギー利用の促進の観点から、食糧等に影響しない新しいバイオマス生産系の構築のため、葉緑体包膜に存在するトリオースリン酸トランスロケーターの遺伝子を単細胞性シアノバクテリアに導入、発現させることと、シアノバクテリアにおけるゲノムサイズの縮小化を目指す。
昨年度に引き続き、アラビドプシス・リン酸トランスロケーター遺伝子の、シアノバクテリア用形質導入ベクターへの組込み操作を続けた。ベクターへの組込みができた時点で、大腸菌に導入したところ、40kDaの前駆体を含むリン酸トランスロケーターが発現することを確認した。そのタンパク質が細胞膜に組み込まれたかどうかは今後の課題である。シアノバクテリアへの導入は、クロラムフェニコール耐性遺伝子をつなげた後、シアノバクテリア細胞へ入れる予定である。
一方、hik8遺伝子とsll1330遺伝子によって制御を受けているフルクトース1,6-二リン酸アルドラーゼ遺伝子fbaAが、グルコースによる発言誘導だけでなく、光合成によっても発現することを確認して、論文発表を行った。また、クロレラではあるが、乾燥重量あたりの有機炭素量を求めたところ、炭素は乾燥重量の48%であった。光合成による二酸化炭素の固定速度を細胞の有機炭素量あたりの比で表わしたところ、1時間の固定量は0.17となった。このことは、細胞の有機炭素量を固定するのに要する時間(約6時間)が、細胞の倍加時間(7~8時間)にかなり近いという結果となった。このことは、細胞のゲノムサイズを縮小化し、有機炭素量を減少させることが、細胞の増殖速度増加に有効であることを意味するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リン酸トランスロケーターの遺伝子を得て、その組込みを進めている。大腸菌への導入が確認できたことから、最終年度までに、シアノバクテリアにも導入できる可能性は高い。今後の壁は、それが細胞膜に組み込まれるかどうかであり、それにより、より詳細な検討が必要となる。

今後の研究の推進方策

リン酸トランスロケーター遺伝子のシアノバクテリアへの導入を試みる。細胞膜に組み込まれたかどうかは、膜画分でのトランスロケータータンパク質の発現解析であり、光合成産物の細胞外への排出解析である。大腸菌で発現できたことから、抗体作製も行い、シアノバクテリアでの発現解析に用いる予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究費は、当初の予定通り、プラスチック製品や培養用試薬などの消耗品(物品費)を中心に使用する予定である。実験を進めるにあたり、有効と判断した場合には、経費の一部を、一時的な学生アルバイトとして、人件費に充当する可能性もある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two regulatory networks mediated by light and glucose involved in glycolytic gene expression in cyanobacteria.2012

    • 著者名/発表者名
      Tabei, Y., Okada, K., Horii, E., Mitsui, M., Nagashima, Y., Sakai, T., Yoshida, T., Kamiya, A., Fujiwara, S., Tsuzuki, M..
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiology

      巻: 53 ページ: 1720-1727

    • DOI

      doi: 10.1093/pcp/pcs115

    • 査読あり
  • [学会発表] Synechocystis sp. PCC6803の光合成-解糖系酵素遺伝子の発現調節に関わる複数の調節系

    • 著者名/発表者名
      岡田克彦、長島祥晃、堀井瑛介、都筑幹夫
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi