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2012 年度 実施状況報告書

ピリジンヌクレオチド代謝調節による細胞機能の制御

研究課題

研究課題/領域番号 23658282
研究機関筑波大学

研究代表者

高谷 直樹  筑波大学, 生命環境系, 教授 (50282322)

キーワードNudix hydrolase / Aspergillus / ヒストン / NAD
研究概要

これまでの先行実験から、既に細胞質型Nudix hydrolase (NdxA)が低酸素環境下でのNADH/NAD+の分解に関わる可能性を示している。そこで以下の研究を行った。
1.カビNudix hydrolaseによるエネルギー代謝制御:低酸素条件下で細胞内のNADH:NAD+の比が上昇することにより解糖系・TCA回路の鍵酵素の活性が抑制されることが知られている。そこで、NudT1遺伝子破壊株におけるこれらの酵素の阻害、代謝産物の蓄積を比較し、Nudix hydrolaseによるNADH/NAD+を介したエネルギー代謝制御の機構を明らかにすることができた。
2.カビNudix hydrolaseによるエピジェネティクス制御:細胞内NAD+ 濃度は、Sir2によるヒストンの脱アセチル化に影響することが知られるが、本菌では、これを介してステリグマトシスチンなどの二次代謝系遺伝子の発現が制御される。そこで、NdxA遺伝子破壊株、Sir2遺伝子破壊株と野生型株の細胞内NADH/NAD+およびヒストンアセチル化の定量、ステリグマトシスチン生産に関わる転写因子aflRの遺伝子発現、ステリグマトシスチン生産を比較し、NdxAがNADH/NAD+を介したエピジェネティクス制御をおこなうことを明らかとした。
これは、NdxAが細胞内NADHを分解することによって細胞内NADH:NAD+バランスの制御を行うシグナルメディエィターであるという同酵素群の新規な機能が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画(上述)を達成できたため。一部の計画は次年度に達成できる見込みである。

今後の研究の推進方策

DNAマイクロアレイ解析の準備が整わなかったことから、オミクスを活用した新規ピリジンヌクレオチド制御系の検索の研究を平成25年度に行うこととした。具体的には、NdxA遺伝子の破壊によりup-regulateまたはdown-regulateされる蛋白質(遺伝子)をプロテオームおよびトランスクリプトーム(DNAマイクロアレイを使用)の手法を用いて同定する。これにより、細胞内NADH/NAD+の総量や酸化還元状態に応答して発現調節される新規遺伝子を発見することができる。この戦略により、NudT1と機能的な相関を持つ未知の蛋白質を発見できると期待される。以上を通して「ピリジンヌクレオチド代謝調節による細胞機能の制御」について考察する。

次年度の研究費の使用計画

DNAマイクロアレイ解析用の消耗品を使用する。また、その結果明らかとなる関連遺伝子の遺伝子破壊等に利用する組み換えDNA用試薬等の消耗品を利用する。成果発表のための国内旅費を申請する。

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公開日: 2014-07-24  

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