• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

ウイルス様粒子を用いたトマトによる食べるワクチンの生産

研究課題

研究課題/領域番号 23658284
研究機関筑波大学

研究代表者

小野 道之  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50201405)

キーワードウイルス様粒子 / キメラVLP / 食べるワクチン / トマト
研究概要

「食べるワクチン」には、(1)植物体内で抗原タンパク質の生産量が低く、(2)抗原タンパク質が消化される、(3)粘膜免疫の誘導が弱いという問題点があり、実用化に対する障壁になっていた。本研究では、可食部に高い濃度で発現させること、胃酸に耐性があって腸管の粘膜免疫を特異的に誘導するE型肝炎ウイルスのウイルス様粒子(Virus Like Particle: VLP)に目的とする抗原ペプチドに融合させたものを用いることにより、上記の3つの問題点を克服することを目的とした。本研究では、果実のモデル植物であるトマトを用いるが、将来的には熱帯等で栽培容易な植物の異なる器官における発現を目指す。まず、植物ウイルス由来のCaMV35Sプロモーターと果実特異的な発現を示すトマトのE8プロモーターの発現の時空間的な違いについて、ZsGreen(緑色蛍光タンパク質)をレポータータンパク質として解析した。その結果、CaMV35Sプロモーターでは、若い果実において全体に強い緑色蛍光が観察されるが、果実の成熟に伴い蛍光が弱まり、赤熟した果実では果実の中心の軸と種子に蛍光が残ることが判った。一方、E8プロモーターでは、未熟な果実では発現は無く、果実の成熟期になって果実全体で発現し、赤熟した果実においても果実の全体で緑色蛍光が観察された。次に、E型肝炎ウイルスのカプシドにHSV-tagとインフルエンザのM2抗原を融合させたHEV:HSV:M2を食べるワクチンとして形質転換トマトを作出した。これらは、E8プロモーターとCaMV35Sプロモーターのいずれを用いても、赤熟した果実に蓄積することをHSV抗体を用いたウェスタンブロッティングを用いて検出した。E8プロモーターの方が蓄積量が多い傾向にあった(最大で64μg/g新鮮重)。今後、VLPの形成について、形成し易い栽培・収穫条件の検討を含め、研究を展開させたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of 9,10-ketol-octadecadienoic acid (KODA) application on single and marginal short-day induction of flowering in Pharbitis nil cv. Violet.2013

    • 著者名/発表者名
      (Ono M.), Kataoka M., Yokoyama M., Ifuku O., Ohta M., Arai S., Kamada H., Sage-Ono K.
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology

      巻: 30 ページ: 17-24

    • DOI

      DOI: 10.5511/plantbiotechnology.12.1105a

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Morphological changes in Ipomoea nil using chimeric repressors of Arabidopsis TCP3 and TCP5.2012

    • 著者名/発表者名
      (Ono M.), Hiyama S., Higuchi Y., Kamada H., Nitasaka E., Koyama T., Nobutaka M., Ohme-Takagi M., Sage-Ono K.
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology

      巻: 29 ページ: 457-463

    • DOI

      DOI: 10.5511/plantbiotechnology.12.1010a

    • 査読あり
  • [学会発表] TMVベクターを用いたキメラウイルス様粒子のBY-2プロトプラストにおける発現 ~経口ワクチン開発のための試み~

    • 著者名/発表者名
      (白戸智恵)、小野公代、川辺寛太、森川一也、竹内薫、鎌田博、保富康宏、小野道之
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
  • [備考] 鎌田研究室:植物による経口ワクチンの生産に関する研究

    • URL

      http://gm-edu.sakura.ne.jp/labo/vaccin

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi