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2012 年度 実績報告書

昆虫特異的シアル酸の発見と代謝経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23658287
研究機関名古屋大学

研究代表者

北島 健  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (80192558)

研究分担者 佐藤 ちひろ  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (10343211)
キーワード糖 / 糖鎖 / 昆虫 / 進化 / バイオテクノロジー / シアル酸 / 代謝
研究概要

昆虫型シアル酸の存在証明を目的として、当初設定した項目(1)~(4)について成果を記載する。(1) 昆虫型シアル酸の検出とその精製:まず、昨年度確立したシアル酸を高い精度で同定する方法(SPL/DMB法)を用いて、コクヌストモドキ成体から、昆虫型シアル酸候補分子を精製することができた。(2) 昆虫型シアル酸の構造決定: (1)で精製した分子をGLCおよびGC/MS. LC/MSで解析した結果、8炭糖酸であるKdoを含む化合物であることが判明した。ただ単純なKdoではないため、今後、大量調製をして、詳細な構造決定を行う必要がある。(3) 昆虫型シアル酸の存在分布の調査:試料を加水分解後の単糖混合物のSPL/DMB化法によって解析した結果、昨年度までに確認したように、コクヌストモドキの他にも、ミツバチ、ショウジョウバエなどにも検出され、昆虫に普遍的であった。(4) 昆虫型シアル酸の代謝経路の解明:コクヌストモドキのシアル酸生合成に関わる酵素のホモログ群のクローニングについては、シアル酸9-リン酸合成酵素(SPS)のクローニングは成功した。シアル酸9-リン酸ホスファターゼ(SPP)のクローニングについては遺伝子発現量の問題と思われ継続中である。昨年クローニングしたSPSについては、その活性に影響をもつアミノ酸残基の変異が見出され、そのために通常のシアル酸は合成できない性質をもつことがわかった。昆虫型シアル酸の特徴を示唆する興味深い事実が明らかになった。さらに、コクヌストモドキを用いて、SPS, CMP-シアル酸合成酵素、シアル酸転移酵素のRNA干渉実験を幼虫期について行った。予備的な段階ではあるが、明白な異常は観察されなかった。本研究によって昆虫特異的なシアル酸が実態としてあることが判明した。しかし、その生物学的機能については、手法の開発を含めて今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] A polysialyltransferase SNP in a schizophrenic patient brings about the production of polysialic acids showing impaired binding and signaling of BDNF and FGF22012

    • 著者名/発表者名
      Ken Kitajima
    • 学会等名
      8th International Symposium on Glycosyltransferases
    • 発表場所
      Hannover, Germany
    • 年月日
      20120605-20120609
    • 招待講演
  • [学会発表] New features on biosynthesis and degradation of free sialic acids

    • 著者名/発表者名
      Ken Kitajima
    • 学会等名
      Kiel University Department of Chemistry Seminar
    • 発表場所
      Christian Abrecht University, Kiel, Germany
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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