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2012 年度 実施状況報告書

斬新な機能を有すると予測される、ガラクトシクロデキストリンの合成と利用研究

研究課題

研究課題/領域番号 23658293
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

清水 弘樹  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (30344716)

キーワード糖鎖 / シクロデキストリン / 有機化学 / マイクロ波
研究概要

beta1-4Galの環状糖鎖化合物(Gal-CD)は理論的には存在可能で,分子モデリングに依れば分子表面の疎水性が強くなり,通常のシクロデキストリンと反対の性質を示すユニークなものになると予想されている。しかし実際には合成が非常に困難で,未だその化合物は実在していない。この合成に申請者の有するマイクロ波利用技術を駆使して挑戦し,合成後,基本的な化合物の性質を検証,さらにやはり申請者の有するCDの酵素反応への応用など、反応系への2次利用展開研究を計画した。
平成24年度は、引き続きbeta1-4Galの環状糖鎖化合物(Gal-CD)の合成研究を進めた。Galbeta1-4Galユニットの合成は非常に困難である。これは構造的な問題のほか,単糖ユニットの反応性を妨げる様々な要因や制約が存在するからである。Galbeta1-4Galユニット合成では,ガラクトースの1位から6位までの5つのヒドロキシル基はすべてなんらかの形で関与するため、それらの保護基は必然的に制約されるが、その点については昨年度、検討し解決をみた。今年度はまず、合成したガラクトース合成シントンとコアとなるシクロデキストリンやカリックスアレンをリンカーを通じて縮合する検討を行った。反応としては、カチオン反応、アニオン反応、酵素反応などを試験し、また化合物タイプとして、リンカーの長さの他、結合部の官能基としてエステル結合、アミド結合の導入などを多々試験検討したが、分子数として1:6の反応となることからか、なかなか望むガラクトース6量体を安定に得ることができていない。現在、さらなる化合物合成の検討として、コア化合物の再選択と合成品の正確な評価の検討を進めている。
この様に現段階では未だ目的化合物の合成までは至っていないが、元来挑戦的課題として取り組んでいることもあり、期間延長して平成25年度も研究を継続進行させる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画のbeta1-4Galの環状糖鎖化合物(Gal-CD)合成が達成できていないが、まだ検討の余地もあり、本研究が萌芽的な挑戦課題であることを考慮すると、決して悲観する状態ではないと考える。

今後の研究の推進方策

ガラクトース合成シントンとコア化合物の縮合反応をさらに検討し、環化グリコシル化反応をおこない目的化合物の合成へとつなげたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

主に、合成試薬などの消耗品費と、できるだけ多くの反応を試験するため手数を増やすという観点から研究補助員を動員するための雇用費、またこれまでの論文に現れないネガティブな知見を有している外来研究者の招聘、最適反応条件知見を得るための旅費などに利用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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