研究課題/領域番号 |
23659017
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 恵司 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (50110341)
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研究分担者 |
森部 久仁一 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50266350)
東 顕二郎 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (40451760)
リムウィクラン ワリー 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (50595907)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 有機ナノチューブ / 難水溶性薬物 / 経口製剤 / 溶解性改善 / 固体分散体 / 非晶質 / 刺激応答性 / 放出制御 |
研究概要 |
本研究では、脂質有機ナノチューブ(LNT)に難水溶性薬物を封入した新規経口投与製剤システムの確立を目的としている。当該年度は1)難水溶性薬物をLNTへ封入する調製方法の検討及び2)LNTへの薬物封入メカニズムの解明を行った。 LNTへの難水溶性薬物の封入法として、低温混合粉砕法、密封加熱法、超臨界流体法、溶媒留去法の検討を予定していたが、LNTのサンプル量が少ないこと及びLNTの物理化学的性質(低融点、超臨界CO2へのLNTの高い溶解度)を評価した結果を考慮し、溶媒留去法を選択した。初めに透過型顕微鏡測定により溶媒留去法に用いる溶媒のスクリーニング検討した結果、極性の高い有機溶媒中でLNTのチューブ構造が安定に保たれることを見出した。極性の高い有機溶媒の中からアセトンを選択し溶媒留去法を適用した結果、モデル薬物であるヒドロコルチゾン(HC)及びフェニトイン(PHE)をLNTに封入することに成功した。 粉末X線回折及び固体NMR測定によりLNT中の薬物の分子状態を評価した結果、HC及びPHEはチューブ内又はチューブ同士で形成される空間に非晶質状態で封入されることが示された。溶出試験の結果、LNTとの溶媒留去物からのHC及びPHEの溶解速度が著しく増加するのが観察された。このことから、LNTは難水溶性薬物の溶解性を改善できる新しい薬物封入担体としての応用が期待される。 本研究において、難水溶性薬物をLNTに封入することに初めて成功した。また、LNTに封入された薬物が良好な溶解特性を示したことから、製剤分野へのLNTの高い応用性を示すことが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の実施目標である、(1)LNTへの難水溶性薬物の封入法の確立及び(2)各種評価法を用いたLNT中の薬物封入状態の評価について予定通り実施する事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
各種機能性LNTへの難水溶性薬物封入を検討し、薬物の放出速度コントロールや刺激応答性放出を可能とする機能性LNT製剤の設計を行う。また、IR測定及び固体NMR測定を行い、ナノチューブ内での薬物の分子状態が製剤特性に与える影響について検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費用(LNT及び薬物購入)及び各種機器測定料として用いる。
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