研究課題
Ca2+ 動員セカンドメッセンジャ―であるサイクリックADP-リボース(cADPR)は、膵臓β細胞からのインスリン放出を促すことが知られている。本研究では、申請者が独自に開発したcADPRの安定等価体である炭素環アナログcADPcR(cADPcR)をプロトタイプとしてバイオロジカルツールを創出し、cADPRが関与するβ細胞におけるインスリン分泌機構解明に貢献することを最終到達目的としている。23年度は、プローブ前駆体の合成経路を確立した。即ち、独自に開発したラジカル反応を鍵行程として、NI-カーボサイクリック部にプロパギル基を導入したcADPcRを合成することに成功した。本年度は、ビオチン/アビジン結合による標的分子つり上げ用のプローブを合成した。ボオチン部とcADPcRの結合にはHuisegen反応を用いることにした。標的分子つり上げ後の単離・精製段階において、アビジンカラムからの解離を効果的に行うために、温和な還元条件での切断が可能なS-S結合を介してビオチンを導入したアルキルアジドを先ず必要量合成した。続いて、4” 位にプロパギル基を導入したcADPcR と上述のビオチンを導入したアルキルアジドのHuisegen反応を種々検討した。その結果、Cu2+存在下の緩衝液中の反応によって、目的のビオチン導入cADPcRプローブの合成に成功した。今後、ウニ卵ホモジェネートを用いて、cADPR標的タンパク質の単離・精製実験を実施する。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Org. Biomol. Chem.
巻: 10 ページ: 736-745
10.1039/c1ob06496g
J. Med. Chem.
巻: 55 ページ: 2960-2969
10.1021/jm201627n
巻: 55 ページ: 2970-2980
10.1021/jm201628y
Eur. J. Org. Chem.
巻: 2012 ページ: 3084-3087
10.1002/ejoc.201200260
巻: 55, ページ: 5483-5496
10.1021/jm300416h
巻: 55 ページ: 6427-6437
10.1021/jm3004174
Chem. Int. Ed.
巻: 51 ページ: 6475-6479
10.1002/anie.201201111
Adv. Synth. Cat.
巻: 354 ページ: 1061-1068
10.1002/adsc.201100761
巻: 55 ページ: 8152-8163
10.1021/jm301084z
巻: 55 ページ: 8838-8858
10.1021/jm3011405