核タンパク質プロサイモシンa (ProTa)は、核内、細胞質、細胞外とそれぞれの存在場において、自己保護に寄与する多機能性を有している。我々は、ProTaが虚血性ストレスに応じて非小胞性に神経細胞から遊離し、ネクローシスを抑制する保護分子であることを明らかとしてきた。さらに、細胞外ProTαは、神経免疫系を介してアポトーシスも抑制する。細胞ストレス誘発性遊離分子であることから、ProTaは新規の神経保護性のDAMPsとして分類される。虚血誘発性障害に対する細胞外ProTa神経保護は、二種の異なった細胞膜受容体を介するものである。本研究ではこれらの受容体を介したProTaの作用機構を明らかとした。さらに、脳梗塞治療薬の創薬標的として有望なこれら受容体に対するProTαの作用ドメインをペプチドレベルで明らかにすることに成功した。
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