研究課題/領域番号 |
23659082
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 竜弘 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50325271)
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研究分担者 |
際田 弘志 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50120184)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 抗原デリバリー / アジュバント / ポリエチレングリコール / リポソーム / 免疫反応 |
研究概要 |
本研究では免疫細胞への新たな抗原送達法としてポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソームによる免疫系の活性化(ABC現象)を利用した方法を提案しようとしている。本提案は、PEG修飾リポソーム投与によって脾臓辺縁帯のB細胞が感作され、数日後に投与したPEG修飾リポソームを捕捉し、速やかに胚中心の樹状細胞に運ぶようになる、という研究代表者らによる極めてユニークな発見に基づくものである。この現象を利用すれば、多量の抗原を効率よく抗原提示細胞に受け渡すことができ、非常に強いアジュバントを開発できる可能性が高い。当該研究期間において、脾臓辺縁体B細胞によるPEG修飾リポソームの輸送現象を利用し、PEG修飾リポソームに封入したタンパク抗原に対する抗体反応の増強効果について検討した。空のPEG修飾リポソームによる前刺激により、少量の抗原(TNP-ficol)でanti-TNP IgM分泌量が有意に増加し、分泌のピークが前刺激がない場合と比べて2日(免疫から3日後)ほど早くなることが分かった。さらに、T細胞依存性の抗原であるリゾチウム封入PEG修飾リポソームを用いた場合でも、少量の抗原で比較的早く抗体が分泌される事が明らかとなった。これらのことから、脾臓辺縁体B細胞によるPEG修飾リポソームの輸送現象を利用することにより、PEG修飾リポソームに封入された抗原に対する抗体反応を増強することが示唆された。脾臓辺縁体B細胞によるPEG修飾リポソームの詳細な輸送機構は現在検討中であるが、この現象は新規な抗原送達システムとして有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り順調に検討が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は、PEG修飾リポソーム投与によるMZ-B細胞感作によって細胞性免疫が誘導されているかを研究計画調書に記した方法に従って、以下に示した項目に対して検討する。I. pDNA送達による脾臓樹状細胞内でのOVA発現誘導II. CTL依存的OVA+細胞障害性試験III. OVA封入PEG修飾リポソーム投与による抗腫瘍効果の検討
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の繰越額に関しては、3月使用分であり、4月に支払いが行われる予定であるため、平成23年度分として既に執行を終えている。 平成24年度に関しては、上記当初研究計画にしたがい、平成23年度に行った免疫活性化機構に関する研究を更に発展させ、そのために必要な実験動物や抗原タンパクなどを購入する予定である。また、平成23年度の成果に関して、複数の国内学会にて発表を行い、社会への還元に努める。
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