研究課題/領域番号 |
23659088
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
小田切 優樹 崇城大学, 薬学部, 教授 (80120145)
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研究分担者 |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
渡邊 博志 熊本大学, 薬学部, 准教授 (70398220)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | アルブミン / 血液浄化法 / 分子進化工学 / 毒性中和 / ハイブリッド |
研究概要 |
本研究は、ヒト血清アルブミン(HSA)用に改良したファージ表面提示方法を駆使し、病原毒素に対して優れた結合能を有するHSA変異体(低分子毒素中和(不活性)型、アミロイド中和型)を創製して、前者はアルブミン透析へ、後者はカラム吸着療法へと多角的に応用することで、従来法では除去困難な毒素の体外除去を可能とするハイブリッド血液浄化法の開発を目的として企図された。 病原毒素中和型HSA変異体の作製は、(1)In silicoスクリーニング法と(2)改良型ファージ表面提示法の2段階方式により行う。HSA変異体-リガンド複合体の結晶構造解析データベースに基づくIn silico結合スクリーニング法により、標的病原毒素の結合サイト及び結合残基を予測する。(2)(1)で候補となった結合サイトを鋳型として、HSA変異体作製用に改良したファージ表面提示法を用い、毒素に対してより高い親和性を有するHSA変異体を作製する。回収したファージの提示するHSA変異体の配列をシーケンス解析により同定した。得られた変異体から各種毒素に対して高い親和性を有する変異体を高純度に精製する。 次いで、BR結合活性が有意に高かったドメインII変異体であるpan3_3-13を用い、胆管結紮による高BR血症マウスにてBR除去効果を評価した。血中BR減少効果を比較したところ、pan3_3-13>WTドメインII>saline投与群の順であり、他方、BRの尿中排泄量は、saline<WTドメインII<pan3_3-13投与群の順に増加していた。 今回作製した新規BR尿中排泄促進剤pan3_3-13は、侵襲性の低い新たな血液浄化方法の道を拓くものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全てが当初の予定通りには進んでないものの、変異体の設計と精製法については、ほぼ確立でき、本研究の中核をなすファージディスプレイ法がきわめて有効な方法であることが確かめられ、あらtな血液浄化法の開発も夢ではない。
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今後の研究の推進方策 |
ファージディズプレイ法を駆使してより毒素に結合親和力の変異体を見出し、従来除去困難と言われる毒素に対し、侵襲性の低い新たな血液浄化法の開発を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画で購入を予定していたカラムの試薬等が研究室で在庫しているものでなんとか間に合ったが、変異体の作成、in vitro、in vivo評価などの実験に、平成24年度予定されている予算を執行できると確信している。
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