研究課題
本研究は、我々がヒト血清アルブミン(HSA)用に改良したファージ表面提示方法を駆使して、病原毒素に対して優れた結合能を有するHSA変異体を創製するとともに、低分子毒素中和(不活性)型HSAはアルブミン透析へ、アミロイド中和型HSAの場合はカラム吸着療法へと応用することで、毒素の体外除去を促進することが可能な革新的血液浄化法の開発を目的として実施した。平成24年度は平成23年度の成果に基づき検討して以下の知見を得た。<1)HSA変異体と標的毒素の結合性評価> HSA変異体と各種標的毒素との結合性を表面プラズモン共鳴法(Biacore)、等温滴定型熱量計(ITC)により評価し、結合パラメータ(結合サイト数、結合定数)を算出した。さらに、両者の結合を我々と研究支援者であるCurry博士が開発したドッキングシミュレーションにより確認した。なお、各種毒素に対して5~10倍以上の親和性を有するHSA変異体を見出すことができた。<2)アルブミン透析による低分子毒素の除去効率の評価> 低分子毒素の場合、in vitro 透析装置の血漿側と透析液側に、野生型HSA と 1)で選別されたHSA変異体をそれぞれ存在させ、標的毒素を単独あるいは複数組み合わせて血漿側に添加し、閉鎖系のアルブミン透析を施行した後、毒素の除去効率を見積もり、両HSAの結果を比較して有用性を評価した。<3)小動物を対象としたアルブミン透析による低分子毒素の除去能評価> 肝疾患毒素に対しては高ビリルビン血症ラットを用いてin vivoアルブミン透析を行い、野生型 HAS と毒素中和型HASの除去効率を算出し、両者を比較検討することで有効性を評価した。
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