研究課題/領域番号 |
23659092
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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研究分担者 |
黒田 一樹 福井大学, 医学部, 助教 (60557966)
駒田 致和 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (90523994)
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キーワード | 解剖学 / 細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / 分化 |
研究概要 |
本研究は「グルタミン酸作動性ニューロンを、脳内でGABA作動性ニューロンに再分化させるためのプロトコールを開発することを目指す」挑戦的萌芽研究である。 以下に、研究実績の概要を記す。 (1)グルタミン酸作動性ニューロンをGABA作動性に変化させると報告されているPtf1aにより作製したGABA作動性ニューロンの性質の解析を進める実験を実施した。具体的にPtf1aをE14.5で大脳皮質に導入し、E18.5で解析を行った。その結果、Ptf1aを導入した細胞は抑制性神経細胞の示す接線方向へ移動する事が示された。同時に、上記サンプルについてスライス切片を作製し、タイムラプスにより観察を行った結果、Ptf1aを導入した細胞は接線方向へ移動する事が確かめられた。 (2)本来、大脳皮質(もしくはganglionic eminence)に発現する転写因子を、形成期大脳皮質脳室帯に発現させ、グルタミン酸作動性ニューロンからGABA作動性ニューロンへの転換を図る実験の基礎実験として、Ptf1aにより興奮性神経細胞が抑制性神経細胞に変化するかをGAD67-EGFPマウスやvGAT-Venusマウスを用いて解析を行った。しかしながら、予想に反しPtf1aを胎児の大脳皮質に導入してもGAD67やvGATの発現は見られなかった。 (3)in vivoでの形質転換の困難さを観察したため、Ptf1aを導入した細胞をセルソーターで回収し、RNAを抽出後にマイクロアレー解析を進めた。その結果、Ptf1aにより誘導されると遺伝子を数種同定した。これは重要な成果と考えられ、現在、それら遺伝子の機能の解析を進めている。
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