研究概要 |
BrainbowコンストラクトのCAGSSプラスミド、Creリコンビナーゼ遺伝子を組込んだCAGGSプラスミドを作製した。これらの混合液をニワトリ胚E2の中脳脳室内に注入し、定法によりin ovoエレクトロポレーションを行った。中脳Edinger-Westphal (EW)核のシナプス前ニューロンが毛様体神経節にシナプスを形成し始めるE5 (stage 26)からカリックスシナプスが完成するE14 (stage 40)にわたり、励起および蛍光波長の組み合わせにより、EW核の個々のニューロン、それらの軸索やシナプス前終末を識別し、絡み合った軸索走行や軸索終末が色分けされることを確認した。また、毛様体神経節においては、シナプス前要素特異的な遺伝子産物発現を世界に先駆けて報告した。オプトジェネティクスセンサー(ChRFR)とアクチュエーター(R-GECO1)を同時に発現させ、シナプス前終末を光刺激してCa2+応答を光学計測することに、世界に先駆けて成功し、シナプス前終末の直接光刺激はChRFRを介して小胞体のCa2+ストアからのCa2+放出を促すことが示唆された(Egawa et al., 2013)。チャネルロドプシン2の第2膜貫通ヘリックスにあるグルタミン酸残基E97およびチャネルロドプシン・ワイドレシーバー(ChRWR)相同のグルタミン酸残基(E136)の点変異体の比較から、透過イオンがE97/136と相互作用することが脱水和に必要であることが示唆された(Tanimoto et al., 2013)。また、Gd3+は、E97/136に結合することにより、open channel blockerとして働くことが示唆された。
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