• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

表面プラズモン共鳴による生細胞の受容体シグナルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659106
研究機関群馬大学

研究代表者

和泉 孝志  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70232361)

研究分担者 大嶋 紀安  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30360514)
岸本 幸治  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50280699)
立井 一明  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00192633)
キーワードシグナル伝達 / 分析化学
研究概要

従来、細胞膜受容体からの細胞内シグナルの解析には様々な方法が用いられてきたが、複雑な操作を要するものが多く、特に細胞骨格系のシグナル解析の手法には操作性や再現性において課題があった。申請者は、SPR(表面プラズモン共鳴)センサを用いて、生細胞におけるGPCR(Gタンパク質共役受容体)からのシグナルを、簡便に感度よく測定することに成功し報告してきた。本研究では、細胞膜受容体の活性化からSPR現象にいたる反応の分子機序を解明することによって、GPCR、低分子量Gタンパク質、細胞骨格系相互のシグナル解析を行うと共に、RTK(チロシンキナーゼ型受容体)からのシグナル解析、薬剤スクリーニング、受容体のリガンドスクリーニングなどへの応用が可能な、画期的なSPRアッセイシステムの開発を目指した基礎研究を行うことを目的としている。
従来のSPR装置は大型で価格も効果であり、持ち運ぶことは困難であった。昨年度は、携帯型のプロトタイプを用いた装置を用いて、ある程度のSPR反応を検出できたが、①操作が複雑であること、②データの再現性が低いことなどの課題が残った。今年度は、これらの課題を克服するため、流路の工夫および細胞接着法の改善を行った。金を蒸着したセンサーチップに、細胞が接着するための複数の流路を彫ったシリコーンゴムを貼り付け、LTB4受容体を発現させたCHO細胞を流路に流し込んだ。12時間経過し、細胞が接着した後に、同じ流路を用いてLTB4に対するSPR応答を測定した。その結果、簡便な操作で効率よく細胞を接着させることができ、容量依存的なリガンドによるSPR反応を測定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小型で安価な携帯型SPR装置を用いて、生細胞からのSPRシグナルを測定するための手法の改善を行った。従来の装置では、①操作が複雑であること、②データの再現性が低いことなどの課題が残っていた。平成24年度の研究では、流路の工夫や細胞接着方法の改善により、簡便な操作で効率よく細胞を接着させることができ、容量依存的なリガンドによるSPR反応を測定することができた。一方、新しいSPR装置における細胞形態の解析や、RTK(チロシンキナーゼ型受容体)からのSPRシグナルにいたる細胞内情報伝達経路の解明はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

これまでの研究により、オーダーメイドでシリコーンゴムに流路を設計出来、様々な用途に応じた実験系を構築できる可能性が開けてきた。このシステムを用いて、複数種類のリガンドに対するSPR応答を同時に測定できる系の確立を目指す。また、この系が、RTK(チロシンキナーゼ型受容体)からのSPRシグナルを検出できるかどうかも検討する。
こららにより、細胞シグナル解析、薬剤スクリーニング、受容体のリガンドスクリーニングなどへの応用が可能な、画期的なSPRアッセイシステムの開発を目指す。

次年度の研究費の使用計画

小型で携帯可能なSPR装置のセンサー部のシリコーンゴムの流路設計を行い、用途に応じた実験系の構築を目指す。このシステムを用いて、複数種類のリガンドに対するSPR応答を同時に測定できる系の確立を目指す。さらに、RTK(チロシンキナーゼ型受容体)からのSPRシグナルにいたる細胞内情報伝達経路を解明するため、種々の阻害剤を用いた解析を進める。同時に、細胞の形態学的な解析も行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 表面プラズモン共鳴現象を利用した効率的なGPCRリガンドスクリーニング方法

    • 著者名/発表者名
      大嶋紀安、荒木麻理、岸本幸治、岸美紀子、立井一明、和泉孝志
    • 学会等名
      平成24年度日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      群馬県前橋市

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi