研究課題
2012年度の時点で再現性のある細胞実験を続けるためには低酸素曝露実験装置の再開発が不可欠となり、新装置の製作、条件検討に時間を要した。新たな装置の製作後も実験に用いる細胞系列はある程度安定したものに限定され、また細胞系列ごとに校正する必要があった。iPS細胞樹立自体にも時間がかかり、培養効率が悪いために頻回の実験に利用できるような十分な細胞数確保が困難であった。このため、iPS細胞に対する低酸素曝露実験にまで進むことはできなかった。上記の理由により、間欠的低酸素の細胞の分化増殖に間欠的および持続的低酸素曝露が与える影響を検討するために、気道上皮細胞(BEAS-2B)の傷害/治癒モデルを用いて、低酸素曝露実験を行った。実験に使用する細胞により培養液中の低酸素条件が大きく異なるため、BEAS-2B細胞における実験条件を検討し、再現性を確認した。間欠的低酸素曝露では,持続的低酸素に比べて気道上皮の傷害からの治癒過程が有意に阻害された。この過程は,抗酸化剤の一つである,N-アセチル-L-システインを用いても完全には改善されなかった。また、この系によって得られた知見を睡眠時無呼吸の低酸素が肝の脂肪化、肝酵素上昇に関連するとの臨床研究の病因論として展開した。
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