本研究では、血管攣縮の原因分子であるSPCの産生の分子機構を解明することを目指した。当初は、これまでの脂質代謝の概念・常識に従って、酵素的反応によってスフィンゴミエリンからSPCが産生されるであろうと予想して、SPC産生酵素を同定する事を目標に研究をスタートさせた。しかしながら、SPC産生活性を絞り込んでいく過程の中で、溶液中で、酸化ストレスおよび酸性条件下で非酵素的にSPCが産生されるという画期的な現象を発見することができた。 そのため、研究途中からは、この非酵素的にSPCが産生される分子機構を解明することを目指した研究を行った。その結果、OHラジカルがSPC産生に必須であることを発見した。
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