研究課題/領域番号 |
23659116
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小比類巻 生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40548905)
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キーワード | 生体運動・形態形成・細胞間相互作用 / 生体ナノイメージング |
研究概要 |
産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間延長制度の利用により、平成24年度1年間の補助事業の中断を行った。 産休前の平成24年度当初に、計画通り蛍光顕微鏡と心電図および左心室圧を同期して測定可能な装置系の構築を完了した。これによりナノイメージングによる生体内分子動態情報と生理学的情報の同時取得および薬剤投与への応答解析への道筋がついた。 また、生体内での顕微鏡観察において不可避である心拍や呼吸による振動によるZ軸方向のブレを回避するため、ピエゾによる対物レンズコントロールシステムを導入した。これにより、より高い精度での顕微鏡観察が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間延長により1年間の補助事業の中断を行ったが、平成24年度に行う予定であった蛍光顕微鏡と心電図および左心室圧を同期して測定可能な装置系の構築を完了したほか、ピエゾによる対物レンズコントロールシステムの導入も完了し、顕微鏡の観察精度向上に成功した。 これにより本研究の目的である細胞内分子情報に対応した薬理および生理学的情報取得法が確立され、今後の薬剤投与に対する応答解析への道筋をつけることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、細胞内情報に対応した薬理および生理学的情報取得法の確立と、薬剤投与への応答の解析を目指す。平成23~24年度に確立したin vivoナノイメージング技術を利用して、タキソールの薬効を定量的に観察することを計画している。 具体的にはEB1-GFP発現細胞移植による腫瘍を持ったヌードマウスまたはSCIDマウス)にタキソールを投与し、生体内で増殖・成長している腫瘍内におけるEB1-GFPの輝点をリアルタイム観察および解析を行う。生体内では培養細胞と異なり、血圧の変動や血管からの距離など生体内ならではの環境因子の影響も考えられ、それぞれの環境下における薬効の変動などを解析する。本研究において開発するin vivoイメージング技術は腫瘍細胞以外のあらゆる細胞内タンパク質の動態解析に応用可能であるため、将来的には心筋細胞のアクトミオシン系やチャネルの動態観察に応用することにより、生体分子が個体の生理学的現象を現出するメカニズムに迫っていく予定である。 最終年度である平成25年度には、得られた結果をとりまとめ、学会発表や論文投稿を通して成果の発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間延長により1年間の補助事業の中断を行ったため、平成24年度分の1300千円は未使用となっている。当該予算は補助事業の中断終了後の平成25年度に使用を予定している。 具体的には、主に試薬、実験動物とその飼育維持費、ガラス器具等の消耗品に800千円を当てる。また、研究成果について国内および国際学会で発表するとともに、欧文雑誌に投稿し、研究成果を広く国民に還元する。よって、旅費および論文校閲費を申請する予定である。
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