研究実績の概要 |
平成26年度は、前年度までに構築した蛍光顕微鏡に新しい高輝度レーザを導入することにより蛍光像の像質を改善し、高い空間・時間分解能(~3 nm, ~10 ms)を持つ顕微鏡系を構築することに成功した。この顕微鏡系による撮像と心電図および左心室圧測定を同期して行い、生体内でのタンパク質動態を観察。これらのデータを解析し、学会発表と論文の執筆・投稿を行った。 EB1-GFP発現細胞を移植した担癌マウス中の微小管動態のin vivo解析については、現在、微小管安定化剤の影響に関する追加データの取得を行いつつ、ひきつづき論文作成中である。 心筋サルコメア動態の高速in vivoイメージングと解析に関しては、生体マクロ情報(心電図および左心室圧)を取得しながらサルコメア長動態の観察を行い、心拍と呼吸による振動の影響をピエゾアクチュエータによるZ方向の焦点移動と画像の再構成によって除去する方法を確立した(100 fpsでのSD=20 nm)。また、in vivo観察において必須である開胸手術と吸入麻酔の影響を調査し、血圧は開胸操作によって約20%低下するが、心拍数に変化がないことを確認した。以上の成果は日本生理学会のシンポジウムにて成果発表を行った。またこれらの成果をまとめた論文をJ. Gen. Physiol.誌に投稿し、現在改訂中である。
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