研究概要 |
脳深部の遺伝子発現をリアルタイムでモニターすることを目的として、光ファイバーを介して脳内のGFP発現細胞を探査し、GFP蛍光を定量するためのレーザー発振・受光システムを開発した。このシステムでは、光ファイバーの一端はレーザー発振・受光器に接続され、他端はGFPトランスジェニックラットの脳内に挿入され、頭蓋骨に固定される。光ファイバーは捻じれに弱いため、無麻酔、非拘束のラットではラットの自発運動によって、容易に光ファイバーは捻じれ、断絶してしまう。そこでラットの運動による光ファイバーの捩れを、ラットケージを回転させることによって、元に戻し、光ファイバーの断絶を回避する特殊ケージを開発した。これらにより、無麻酔・非拘束のラット脳内でのGFP発現量を蛍光強度としてリアルタイムで測定することができる。今回は視床下部室傍核で産生され、下垂体後葉に輸送・放出されるバソプレッシンにGFPを連結したトランスジェニックラット(Ueta et al.Endocrinology,2005)を用いて、食塩水負荷による脱水過程、その後の通常水接収による脱水からの回復過程におけるバソップレシン産生変化をリアルタイムで4日間モニターすることに成功した。
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