研究概要 |
本研究は世界に先駆けて創成したヒト臨床オミックスが類似した食餌性肥満モデル(BMC Physiology 2010,10,21)を活用して臨床抗肥満薬のオミックス機構を解明し、すでに見出している候補遺伝子の中から新規肥満治療遺伝子(特願2009-208272 MXD3遺伝子の発現阻害による肥満の抑制)を確立することを目的とする。これまでの研究成果より、独自の食餌性肥満モデル内臓脂肪における遺伝子発現変動がヒト肥満内臓脂肪と類似性が著しく高いことを明らかにしており(BMC Physiology 2010,10,21)、これら発現変動遺伝子の1つである新規肥満遺伝子MXD3をノックダウンすると、BMI、血漿トリグリセライド、内臓脂肪等を抑制することをすでに発見している。今回はこの食餌性肥満モデルを用いて、新規肥満治療ターゲットとしての機能を確立し、そのオミックス機構を解明した。 この食餌性肥満ゼブラフィッシュに対し、過剰給餌・食事療法後の内臓脂肪を剔出し、DNAマイクロアレイにより内臓脂肪遺伝子発現変動を解析した。遺伝子オントロジー解析と階層クラスター分析を組み合わせたバイオインフォマティクス解析により、内臓脂肪等における肥満遺伝子クラスターを明らかにした。これらの肥満遺伝子クラスターのネットワーク解析には前述のMXD3を含む複数の新規肥満制御遺伝子候補が含まれていた。さらにモルフォリノアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたノックダウンスクリーニングにより、肥満制御遺伝子ネットワークを明らかにした。
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