研究課題
本研究では、p40phox異常よるCGD腸炎の発症機序がクローン病の発症機序と共通点を有するという仮説のもとに以下の1・2の研究を行ない、クローン病の新しい治療薬のスクリーニング系を開発することを目的とした。1、原因不明の腸炎患者群から、p40phox 異常によるCGD患者を発見し、遺伝子解析することにより、p40phoxの機能や作用機序を解明する、2、腸炎の病理細胞・組織やオートファジー能を解析する。1、双方(神戸・三重)の大学での倫理委員会の承認を受けて、原因不明の腸炎患者群から、p40phox 異常によるCGD患者を発見することを開始した。現在までのところ、三重大学から数名の患者の血液の提供を受け、活性酸素産生能のチェックと遺伝子解析を行ったが、CGD患者の発見には至っていない。2、p40phoxとオートファジーとの関連では、p40phoxを恒常的にノックダウンする安定細胞株の作製を完了した。
2: おおむね順調に進展している
1、現在までのところ数名の解析に止まっていたが、倫理委員会の承認を受けて、解析待機中の患者(約10名)を行う予定である。また、本年度は、日本食細胞機能研究会の支援を受けて全国レベルで10-20名の患者数のスクリーニングも行い、CGD患者の発見に繋げる予定である。2、p40phoxとオートファジーとの関連を解明するためのツールとして、p40phoxを恒常的にノックダウンする安定細胞株の作製を完了できた。本年度は、この細胞株を用いてp40phoxとオートファジーとの関連を細胞内膜輸送に注目して行う予定である。
1、双方(神戸・三重)の大学での倫理委員会の承認を受けて、小児(特に6歳以下)の原因不明の腸炎患者から、血液を提供してもらい、p40phox 異常によるCGD患者を発見することを開始できた。現在までのところ数名を調べることで止まっており、CGD患者の発見には至っていないが、我々が考案したスクリーニング系機能することが確認できた。本年度は、患者数を20例ぐらいはスクリーニングして、CGD患者の発見に繋げる予定である。2、我々が作製したp40phoxを恒常的にノックダウンする安定細胞株を積極的に活用して、p40phoxとオートファジーとの関連を細胞内膜輸送に注目して行う予定である。
1、原因不明の腸炎患者群(約20名を予定している)から、p40phox 異常によるCGD患者の発見ための、試料輸送費、活性酸素産生能測定関連費、遺伝子解析関連費2、p40phoxを恒常的にノックダウンする安定細胞株を用いたオートファジー研究のための、抗体、試薬、合成核酸のための費用を予定している。
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