研究課題/領域番号 |
23659146
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
伊東 史子 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (70502582)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 遺伝子改変マウス / TGF-β / inhibitor / CAG-Cre / MET |
研究概要 |
iPS細胞の樹立効率やスピードの改善が、臨床応用に向けて求められている。これまでに「TGF-βシグナルインヒビターは樹立効率・スピードを改善する」ことが報告され、TGF-βシグナルはiPS細胞誘導を抑制していると考えられ、そのカギを握る現象として間葉ー上皮転換(MET)が明らかとなってきた。そこで、METを制御する分子の同定がiPS細胞の樹立効率を改善させる分子として機能すると予測される。しかし、インヒビターの作用スペクトルはTGF-β受容体に選択的に作用するものではないため、インヒビターを用いた研究ではTGF-βシグナルの分子メカニズムの詳細を検証することは難しい。そこでTGF-βシグナル系のノックアウトマウスを用いてTGF-βシグナルを亢進・遮断した細胞を用いてiPS細胞樹立を樹立し、その過程におけるTGF-βシグナルの分子メカニズムを明らかし、iPS細胞の樹立効率・スピードを改善する新規技術の開発を目指していく。 TGF-βシグナル系の分子のノックアウトマウスを多数利用して、TGF-βシグナルを遮断または亢進させた条件によりシグナルを完全に遮断した条件で遺伝子変化を検討することが可能である。その中にはTGF-bシグナルを遮断するもの、BMPシグナルを遮断するもの、そしてどちらのシグナルも遮断できないものが含まれており、シグナル系を容易に遮断または増強することが可能となっている。さらに、CAG-Creトランスジェニックマウスと交配させたため、タモキシフェンを添加時に遺伝子ノックアウトを可能としているため、iPS細胞誘導時のどの段階においてTGF-βシグナルが抑制しているのか、時系列での検討が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(理由)ダブルコンディショナルノックアウトマウスとCAG-Creマウスの交配が順調に進まず、一部のMEF細胞の樹立に手間取っている。しかしながら、iPS細胞への誘導系は順調に準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策)作成したiPS細胞をMEFへともどし、再びiPS細胞へと分化させる過程で変動する遺伝子群、miRNA群を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(次年度の研究費の使用計画)iPS細胞が順調に樹立できたことを確認次第、アレイ解析へと進み、その分子メカニズムの詳細について解明する。
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