研究課題
本研究では当初の計画としてはmiRNAのiPSにおける発現パターンをmRAP法をもちいて作成したライブラリーを用いて解析したものを使っていたが、qPCRをもちいて個々のmiRNAについて発現チェックをしていくうちに、このライブラリーの質に問題があることが明らかになり、qPCR アレイを用いて、新たにmiRNAの発現チェックをおこなった。ヒト、マウス合計20ライン近いiPSからライブラリーを作成し、バイオインフォマティクスを用いて、高発現miRNAを抽出し、これらについて発現ベクターを作成した。これをMEF, 未分化、embryoid bodyにそれぞれ発現させ、iPS樹立効率、未分化性維持、分化効率について検討をくわえた。複数のmiRNAで、これらの効率に影響をあたえるものが見いだされたが、過剰発現の効率、安定性に問題があり、ベクターを改変し、スポンジタイプのベクターを評価したところ安定した過剰発現が得られたので、このシステムに変更し、MEFからのiPS樹立に集中して、検討を続けている。iPSのmiRNAによる樹立は、本研究期間にも論文などで報告があったが、追試に問題があったり、効率が低いなど決め手となる技術開発にはいたっていない。本研究で確立した発現情報はきわめて質が高く、これをもちいて、単一のmiRNAではなく、複数のmiRNAを組み合わせて発現させることにより、安定したmiRNAによるiPSの樹立にいたることが期待される。
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