研究課題
アミロイド線維/凝集体は、異常構造を持つタンパク質が線維状に集合したもので、タンパク質恒常性の破綻を引き起こす。ユニークなアミロイド線維抽出法を用いて、若齢から老齢に至るモデルマウスからアミロイド線維/凝集体を採取し、網羅的プロテオーム解析を試みる。[平成25年度研究実績]Apoa2KOマウスとC57BL/6 (野性型)マウスを2ヶ月齡と28ヶ月齡で屠殺し、肝臓、脳、心臓及び筋肉を採取した。また2ヶ月齡のSAMR1Cマウスにアミロイド線維(AApoAII)を投与しアミロイドーシスを誘発して4, 10ヶ月後に臓器を採取した。各臓器より『アミロイド線維/凝集体タンパク質』を分取した。アミロイド線維/凝集体分画を RapiGest溶液で可溶化して、トリプシン消化後に、信州大学のLC/MS/MSシステムで解析し、タンパク質の同定と定量を行った。1. 老齢マウスで有意に増加するタンパク質は全部で40 種同定されたが、大半は高齢群で10 -30%増加する程度であった。それらのタンパク質の機能的な分類を解析したところ、3つの分類(① intermediate filaments, ② ATP metabolic process, ③ calmodulin -dependent p rotein kinase activity ) が同定された。2. 潜在的にアミロイド線維形成能を持つ新規タンパク質を検索するために高齢群特異的に同定されたタンパク質群では、機能的な分類はほとんど見られず、比較的少量のものが大半であった。現状では新規アミロイドタンパク質同定には成功していない。3. 誘発したAApoAIIアミロイドの肝臓への沈着に伴い出現するApoA-II 以外のタンパク質を同定した。ApoE, Clusterin(Clu),Vitronectin( Vtn )などが同定された。
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