• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

細胞極性可視化トランスジェニックマウスを用いた生体内細胞融合の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659162
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

及川 司  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20457055)

キーワード細胞極性
研究概要

イノシトールリン脂質による極性形成の可視化を個体に応用するために、イノシトールリン脂質結合ドメインを発現するトランスジェニックマウスの作製を行っている。極性可視化に用いるイノシトールリン脂質結合ドメインの持つ潜在的な毒性を考慮に入れ、発現部位と発現時期をコントロールできる、KH2 ES 細胞からマウスを樹立することを試みている。これは目的遺伝子をDNA 組換え酵素Flippase により、染色体の特定の遺伝子座 (ColA1 下流)に1 コピーだけ保持させることができるものである(Hochedlinger K. et al. Cell, 2005)。さらにKH2細胞はRosa26遺伝子の下流に、抗生物質doxycyclinを投与すると活性化する転写因子(rtTA)を持っており、目的遺伝子の発現がdoxycyclinで誘導できる。このアレルをクロスアウトし、細胞系譜特異的にrtTAを発現するマウスと掛け合わせることで、発現組織を特定の細胞系譜または臓器に限定することができる。目的遺伝子を保持するKH2 ES 細胞においては、サザンブロットで目的遺伝子の保持を確認し、さらにmRNA、タンパクの発現チェック及び共焦点顕微鏡による蛍光シグナルの確認も行った。このES細胞をaggregation法で桑実胚に導入し、偽妊娠マウスへ移植し、移植胚由来のマウス(キメラマウス)を得たが、ES細胞由来の目的遺伝子が生殖細胞を通じて次世代に伝えられる個体はまだ得られていない。ES細胞を別なストック由来のものに換えるなどして再度キメラマウスの産生を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の計画では平成24年度中に目的マウスを得るはずであったが、まだ得られていないため。目的の遺伝子を保持したKH2 ES細胞は得られたものの、これがキメラマウスの生殖細胞とならず、次世代に伝えられる形で目的遺伝子を保持する個体が得られていない。

今後の研究の推進方策

KH2 ES細胞はこれまでスペイン国立がんセンターから譲り受けたものを使用していたが、輸送などの影響によりES細胞としての品質に問題が起きている可能性が否定できないため、このES細胞の使用をやめて市販のKH2 ES細胞(オープンバイオシステムズ)を使用することにした。新しいKH2 ES細胞を用い、これまでと同様にマウスを得るべく研究を推進する。

次年度の研究費の使用計画

トランスジェニックマウス作製に必要な試薬やマウス飼育にかかる費用として、大部分を消耗品費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of osteoclasts by membrane-derived lipid mediators2013

    • 著者名/発表者名
      Oikawa T, Kuroda Y, Matsuo K
    • 雑誌名

      Cell Mol Life Sci

      巻: 70(18) ページ: 3341-3353

    • DOI

      10.1007/s00018-012-1238-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Tks5-Dependent Formation of Circumferential Podosomes/Invadopodia Mediates Cell-Cell Fusion2012

    • 著者名/発表者名
      Tsukasa Oikawa, Shunsuke Uehara, Nobuyuki Udagawa, Koichi Matsuo
    • 学会等名
      第30回日本骨代謝学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120719-20120721
  • [備考] 慶應咸臨丸プロジェクトHP (及川司)

    • URL

      http://www.careerpath-prj.keio.ac.jp/kanrinmaru/scholar/oikawa/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi