研究課題/領域番号 |
23659163
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
寺田 泰比古 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40212063)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 抗老化遺伝子 / 発現クローニング / ハダカデバネズミ / 遺伝子ライブラリー |
研究概要 |
1)ハダカデバネズミ(Hg)のレトロウイルスcDNAライブラリーの作製:Hgの生後、1-2週間後の個体から、脳、肝臓を採取し、RNAを精製後、Oligo(dT)をアニールし逆転写酵素によって1st strand cDNAを合成し、PCR反応にて二本鎖cDNAを合成した。PMXsレトロウイルスベクターにcDNAを挿入し、大腸菌に形質転換し、cDNAライブラリーを作製した。作製したcDNAライブラリーを、レトロウイルス産生細胞であるPlat-E細胞に遺伝子導入し、2日後に培養上清を採取することでウイルス化した。2)発現クローニングによる遺伝子スクリーニング:マウス胎児繊維芽細胞(MEF)に遺伝子ライブラリーを導入し、クライシスを超えて増殖が停止せず増殖し続ける細胞コロニーを単離した。さらに、Cre-loxPシステムで、Cre遺伝子を細胞に導入することによって、増殖を停止する細胞クローンを選択した。この細胞クローンからゲノムを回収し、PCR法にて、cDNAを増幅し遺伝子配列を決定した。3)遺伝子の上記の回収した遺伝子機能を解析する上で、Hg上皮由来線維芽細胞株の培養条件の至適化を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ハダカデバネズミのcDNAライブラリー作製に関しては研究計画書通り進行している。しかし、発現クローニングによって単離された遺伝子の機能を解析する上で、Hg上皮由来線維芽細胞株の培養が必要であるが、現在のところ、培養条件の至適化がうまく行っておらず、このために平成24年度の研究計画が遅れる可能性がある。早急に原因を解明しトラブルシュートすることに努める。
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今後の研究の推進方策 |
1)現在のところ、脳由来組織の遺伝子ライブラリーの合成に成功しているが、今後、肝臓と上皮由来線維芽細胞の遺伝子ライブラリーの合成も行う。ただし、研究計画書に記載した、脾臓と心筋、精巣に関しては、回収した組織が量的に少なかったために、この組織由来のライブラリーの合成は行わない。2)Hg上皮由来線維芽細胞株を用いた細胞生物学的手法により、発現クローニングによって単離された遺伝子の機能解析を行う。3)研究計画書には記載していないが、Hg上皮由来線維芽細胞株が癌遺伝子による癌化に対して極めて強い抵抗性を示すことが明らかになったために、23年度、行ったのと同じ発現クローニングの手法を用いて、癌抵抗性を付与する遺伝子の単離を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)遺伝子ライブラリー合成のための試薬の購入2)ゲノムからの遺伝子単離と配列決定に必要な試薬の購入3)細胞生物学的な解析を行う上での試薬の購入4)発現クローニングによる遺伝子単離に必要な試薬の購入
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