研究課題
F1マウスから作製したiPSCおよびヒトiPSC(Beckwith-Wiedemann症候群患者由来および健常者由来)について、ゲノム中に散在するインプリントDMRのメチル化解析を解析してきたが、一部のDMRではリプログラミングに伴いメチル化状態が変化することが判明した。一方、インプリントDMRのメチル化異常で発症するBeckwith-Wiedemann症候群には肝芽腫が高率に合併するが、肝芽腫は肝細胞に分化する前の肝芽細胞を発生母地とする。従って、肝芽細胞におけるDMRのメチル化異常が腫瘍発生に関与する可能性が考えられる。そこで、12例の肝芽腫および腫瘍隣接正常組織と3例の正常肝臓について、33ヵ所のDMRとLINE-1のメチル化を解析したところ、18ヵ所のDMRに異常メチル化が見られた。異常メチル化の発生頻度はDMR毎に異なっており、高頻度に異常を示すDMRが存在した。異常高メチル化は腫瘍でのみ見られたが、異常低メチル化は腫瘍隣接正常組織でも見られた。LINE-1に代表されるゲノム全体のメチル化に大きな差はなかった。これらの結果から、肝芽腫では、ゲノム全体のメチル化が比較的保たれているが、一部のDMRのメチル化は腫瘍化に先立って起こる可能性が示唆された。また、11p15.5と20q13.3ではメチル化異常に加え、片親性ダイソミーやコピー数異常が見られたことから、DMRにおけるエピゲノム・ゲノム異常による刷り込み遺伝子の発現異常が肝芽腫発生に関連することが示唆された。
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