研究課題
C型肝炎ウィルス(HCV)感染の治療としては現在、インターフェロンと抗ウィルス薬リバビリンの併用療法が行われているが、著効率は約50%で、副作用の面からも満足できるものではない。一方2009年に、タイト結合膜貫通分子オクルディンがHCVの受容体の一つで、HCVの宿主細胞(ヒト肝細胞)への侵入・感染成立に必須であることが明らかになった。そこで本研究では、新規抗ヒトオクルディン単クローン抗体を作製し、HCVの感染防御に対する有効性とヒト細胞への毒性作用を検証した。まず、HCVに対する感受性の高いヒト肝がん細胞株Huh7.5.1を新規抗体31種類のハイブリドーマ存在下・非存在下で培養して、免疫染色、ウエスタンブロッド、HCV感染阻害実験(シュードタイプウィルスHCVpvおよびHCVcc)を行い、抗体をスクリーニングした。候補となった抗体5種類から15クローンを精製し、毒性試験、感染阻害実験、蛍光ダイレクトラベリングによる生細胞蛍光イメージングを行った。精製抗体15クローンはいずれも、ヒト肝がん細胞株Huh7.5.1に対して毒性作用を示さなかった。Huh7.5.1細胞の単層培養では、精製抗体によるHCV感染阻害作用は明らかではなかった。しかし、蛍光ラベルした抗ヒトオクルディン単クローン精製抗体をダブルチャンバーの下部チャンバーに加えたところ、Huh7.5.1細胞の細胞境界にシグナルが検出され、新規抗体が生細胞のオクルディンに結合できることが示唆された。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
Gene
巻: 512 ページ: 438-443
10.1016/j.gene.2012.07.051
Surgery Frontier
巻: 19 ページ: 335-340
J Cell Physiol
巻: 227 ページ: 1951-1959
巻: 19 ページ: 445-450
Prostate
巻: 72 ページ: 351-360
10.1002/pros.21436
Matrix Biol
巻: 31 ページ: 17-28
10.1016/j.matbio.2011.09.002
巻: 227 ページ: 3258-3266
10.1002/jcp.24020
巻: 227 ページ: 2668-2676
10.1002/jcp.23009