研究課題
1.114例の生体肝移植例(2001-2012年)の臨床病理学的データを解析し原著論文が採択された。ドナーとレシピエントの性のミスマッチは移植における拒絶反応が多いことを証明した。母から女、男児への移植は拒絶反応の低いことから、妊娠によるキメラによる免疫応答に関する寛容が成立していることが示唆された。臨床上でドナーの性別を考慮すべきことを論文中で提案した。死体肝移植に関してもミスマッチに関する解析を行う次期の研究の動機となった(Transplantation Int, 2014)。2.レシピエントとドナーの両者から肝生検の得られている12例の肝細胞のテロメア長を比較解析した。なお、レシピエント肝はY染色体プローブ(蛍光色素付加DNAプローブ)によるDNA・FISH法により血管内皮細胞がレシピエント由来であることが実験で判明している。以上の解析から年齢の高いドナーからの移植では、レシピエントの肝細胞のテロメアの短縮が高度であることがわかった。移植片のテロメアは免疫学的によくコントロールされている症例では延長する症例がみられた(PloS One 2014)。3.レシピエントの免疫抑制剤内服86例と抑制剤離脱23例を比較解析した。ドナー年齢が低い症例で離脱例が多いことが判明した(投稿中)。4.生体肝移植において、母から男児への移植片の研究を行った。2001-2010年までの35例を用いた。術後1-2カ月に拒絶反応ありは13例であった。22例は急性の拒絶反応はなかった。まず、Y染色体DNA・FISH、テロメア・セントロメアPNA・FISH、サイトケラチン免疫蛍光法による免疫蛍光法を実施した。類洞内の内皮細胞はY染色シグナルが陽性であった。現在、Y染色体陽性細胞の分布の時間的変化に関する論文を作成中である。
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PLoS ONE
巻: 9 ページ: e93749
10.1371/journal.pone.0093749.
Transpl Int
巻: 27 ページ: 383-90
10.1111/tri.12273.
http://www.ttaggg-rtgp.org/