研究課題
カニクイザルiPS細胞をbone morphogenetic protein-4 (BMP4)を含む培養液中で培養し、embryoid bodyを作製した。次にフィーダー細胞10T1/2上で、stem cell factor (SCF)及びvascular endothelial growth factor (VEGF)を加えて培養を続け、CD34陽性細胞を誘導した。セルソーターでCD34陽性細胞を精製し、Delta-like ligand 1を発現するフィーダー細胞OP9-DL1とともに培養した。この培養にはSCF、interleukin-7 (IL-7) 、fms-like tyrosine kinase 3 ligand (Flt3L)を加えた。2週間後、フローサイトメーターで細胞表面分子の発現を解析したところ、CD3、CD4、CD8が陽性の細胞が見られた。CD4あるいはCD8が単独で陽性の細胞はほとんど見られず、正常胸腺に置けるCD4CD8 double positiveに相当すると考えられた。また、これらの細胞はTCRαβを発現していた。CD4またはCD8 single positive細胞への分化を誘導するため、抗CD3抗体を加えたが、single positive 細胞の割合は増えなかった。また、カニクイザルBリンパ球細胞と培養したが、single positive 細胞の割合は増えなかった。しかし、さらにサイトカインを加え、培養を続けたところ、CD8 single positive細胞となった。この細胞を抗CD3抗体で刺激したところ、増殖反応が見られ、iPS細胞由来CD3陽性細胞は、機能的なTCRを発現し、Tリンパ球に分化したと考えられた。
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PLoS ONE
巻: 8 ページ: e82740
10.1371/journal.pone.0082740
巻: 8 ページ: e75910
10.1371/journal.pone.0075910
http://www.shga-med.ac.jp/~hqpatho2/publication.html