研究課題
平成24年度には、以下の事を行った。(1)平成23年度に同定した、造血幹細胞様の培養細胞に特異的に発現する転写因子群をリプログラムに必要な候補遺伝子として、レトロウイルス・ベクターに組み込み、そのウイルス・ベクター産生の最適化を行った。(2)平成23年度には、Greenらにより解析されたSCL遺伝子の転写制御領域とEGFPを含む配列を導入したマウスの系統を作成したが、マウス骨髄中のc-Kit陽性・Sca-1陽性・lineage陰性細胞群(KSL細胞)でのEGFPの発現が確認出来る系統を得る事が出来ず、更に、flox-CAGプロモーターを更に入れた配列を導入したマウスの系統でも、同様にKSL細胞でのEGFPの発現が確認出来なかった。このため平成24年度は、マウスSCL遺伝子を含むBAC(Bacterial artificial chromosome)クローンを得て、このSCL遺伝子の第二エクソン領域をflox-CAGプロモーター、及びEGFPとNeoRを含む配列に置き換えたクローンを作成し、このクローンが導入されたマウスを得た。このマウスの中から、安定して継代可能な、独立した2系統が得られた。(3)Grafらの作製したVav-Creマウス系統と、上記のマウスの系統を掛け合わせてKSL細胞を含む造血系統の細胞でのEGFPの発現を調べる準備をしている。(4)また、CAG-Creマウス系統と、上記のマウスの系統を掛け合わせた胎児より、胎児繊維芽細胞の作成を始めた。
4: 遅れている
Greenらにより詳細に解析されたSCL遺伝子の転写制御領域を用いて、KSL細胞でのレポーター遺伝子の特異的発現を目指したマウスにおいて、KSL細胞でのレポーターの発現が確認出来る系統が得られなかった。そのため、マウスSCL遺伝子をコードする領域をレポーター遺伝子を含む配列に置き換えたBACクローンを作成し、このBACクローンを導入したマウスの系統を作成した。予定していたしたトランスジェニックマウスの作成が遅れたため、このマウスの胎児繊維芽細胞を用いた候補遺伝子のスクリーニングが行えなかった。
平成24年度に、マウスSCL遺伝子の第二エクソン領域をflox-CAGプロモーター、及びEGFPとNeoRを含む配列に置き換えたBACクローンが導入され、安定して継代可能な、独立した2系統が得られた。このマウスの系統と、CAG-Creマウス系統とを掛け合わせた胎児より、胎児繊維芽細胞の作成を始めている。この細胞に、既に準備した候補遺伝子を発現させる事で、候補遺伝子のスクリーニングを行うことで、研究を推進させる。
次年度に、以下のことを行う。(1)上記のBACクローンを導入したマウスより胎児繊維芽細胞を準備し、既に準備した候補遺伝子を発現させる事で、候補遺伝子のスクリーニングを行う。(2)候補遺伝子の導入で、胎児繊維芽細胞より造血要細胞へと変換された細胞を得られれば、その細胞の造血細胞系統への分可能の検証、可塑性の検証を行う。
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